研究課題/領域番号 |
06670068
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
栗原 敏 (クリハラ サトシ) 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90057026)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アシドーシス / 心筋 / 細胞内Ca / トロポニン / 筋小胞体 / 細胞内pH / スキンドファイバー / エクオリン / 細胞内PH / 筋長 / 短縮 |
研究概要 |
細胞内アシドーシスは心筋の収縮を著しく抑制するが,Ca^<2+>トランジェントは増高する.また,Ca^<2+>トランジェントの時間が延長する。特にCa^<2+>トランジェントの減衰時間と頂点に達するまでの時間が延長する。その細胞内メカニズムを検討した。フェレット右室乳頭筋の表層細胞内にエクオリンを注入して、Ca^<2+>トランジェントと張力を同時測定した。細胞内アシドーシスは溶液中の炭酸ガス濃度を5%から15%に増加させておこした。標本をリアノジンで処理して頻回刺激を与えて強縮を誘起し、細胞内Ca^<2+>濃度と張力の関係を測定した。アシドーシスで最大張力は低下し、Ca^<2+>濃度-張力関係は平行に右方移動しCa^<2+>感受性が低下した。リアノジン非存在下で単収縮を誘起してその経過中に筋長を急激に短縮させると一過性に細胞内Ca^<2+>濃度が増加する(余剰Ca^<2+>)。この余剰Ca^<2+>は張力依存性にトロポニンとCa^<2+>の親和性が変化するためと考えられている。アシドーシスでは張力変化分あたりの余剰Ca^<2+>量が少なかった。フェレット肉柱をサポニン処理して小胞体温存スキンド標本を作成して、Ca^<2+>取り込みとCa^<2+>放出に対するH^+の効果を調べた。H^+はCa^<2+>取り込み速度を抑制したが、最大取り込み量は変化しなかった。約1μMのCa^<2+>の時、H^+によりCa誘発性Ca遊離機構(CICR)が抑制された。これらの結果から以下のように考察した。細胞内H^+は小胞体のCICRを抑制するが、収縮蛋白系のCa^<2+>親和性を低下させるのでCa^<2+>トランジェントは増高する。また、Ca^<2+>取り込み速度を抑制するのでCa^<2+>トランジェントの減衰時間が延長する。しかし、Ca^<2+>取り込み速度の低下とCa^<2+>感受性の低下が相殺して弛緩時間に著変が見られなかった。
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