研究課題/領域番号 |
06670069
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
渡辺 昭 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (30013791)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 筋線維 / 興奮収縮連関 / リアノジン / ニトレンジピン / 百日咳毒素 / 旋光性シグナル / 筋収縮 / 骨格筋 / 複屈折性 / 施光性 / ライアノジン / カフェイン / 旋光性 / 横紋筋 |
研究概要 |
ウシガエルをエーテル麻酔下で中枢神経を破壊して殺し、後肢より半腱様筋を取り出し、これから1本の筋線維を摘出した。これを、光学実験用チェンバーに張り、高速旋光測定装置によって、筋線維の興奮にと伴う旋光性シグナルを記録した。光源は、250Wのハロゲンランプで、550nmの干渉フィルターにより準単色光とした。筋線維の一端に電気パルスを与えて興奮させ、他の一端から細胞外活動電位を誘導した。筋線維の運動による障碍と小さくするため、外液として90%-95%の重水リンゲルを用い、筋節長を3.7μmまで伸展し、更に標本の上から円筒レンズで筋線維を軽く押さえた。その結果、顕微鏡下では収縮は全く見えなくなった。刺激により、短い持続の右旋性の増大が観察された。このシグナルは、神経で見られた旋光性シグナルと異なり、標本を変えてもその方向や持続は一定で、インパルスの伝導方向を変えても極性は変化しなかった。筋線維の周囲に線維を通過しない光があり、これを遮ると標本が損傷するので、旋光性シグナルの大きさを旋光角で表現できなかったが、神経からのシグナルの数百倍の大きさの旋光性変化と推定された。これらのことから、この旋光性シグナルは、細胞内の蛋白分子の形状の変化に由来するシグナルであると結論した。シグナルの持続は、約23msで、収縮の過程に比べて非常に短いので、アクチンミオシン、トロポニンなどの分子の変化を見ているのではなく、それに先行する興奮収縮連関に伴う分子活動に関係するものと推定された。それで、興奮収縮連関に作用するとされる薬物の効果を調べた。リアノジンは、シグナルの振幅をほぼ半分に減少させた。ニトレンジピンは、シグナルの持続をほぼ半分に短くした。百日咳毒素は、シグナルを、1例を除き、全く消失させた。これらの薬物の作用は、このシグナルが興奮収縮関連に働く分子から生じていることを更に証拠立てるものである。
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