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血管内皮細胞における細胞性線溶の統御

研究課題

研究課題/領域番号 06670070
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 生理学一般
研究機関近畿大学

研究代表者

松尾 理  近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)

研究分担者 深尾 偉晴  近畿大学, 医学部, 助手 (70218874)
岡田 清孝  近畿大学, 医学部, 助手 (20185432)
上嶋 繁  近畿大学, 医学部, 講師 (30193791)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード血管内皮細胞 / 細胞性線溶 / 細胞移動 / 細胞障害 / fibrin / t-PA / PAI-1 / cytokine
研究概要

我々は既に、正常な血管内皮細胞の機能の一部にとして、血栓成分であるfibrinの接触により細胞ではt-PA放出増加とPAI-1放出減少反応を起こし線溶活性を亢進させ、fibrinを効率良く分解することを証明している。本研究では血管内皮細胞が何らかの障害を受けた際の前記機能の変化を解析した。障害血管内皮細胞のモデルとしてヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を長期培養し老化させたもの、phorbol ester(PMA)、tumor necrosis factor(TNF)およびinterleukin-1(IL-1)で刺激したものを用いた。Fibrinの接触作用により老化HUVECではでt-PA放出抑制、PAI-1放出増加が、PMA処理HUVECではt-PA放出抑制とPAI-1放出抑制が、TNF処理HUVECではt-PA放出増加とPAI-1放出抑制が、IL-1処理HUVECではPAI-1放出抑制のみが解析された。このように細胞障害の種類によりfibrinに対する細胞反応は異なり、いずれも正常HUVECに比べてその線溶活性は低下する傾向にあった。細胞移動の足場であるextracellular matarix (ECM)へのt-PAおよびPAI-1の分泌を解析したところt-PAはいずれのHUVECのECMにも認められなかった。しかしPAI-1はいずれのECMにも存在し、かつ障害HUVECにおいては正常HUVECより高値であり、とくにIL-1刺激の場合が最も高かった。以上の結果から、cytokinc等の刺激障害を受けたHUVECには結果的に細胞性線溶能が低下しており、生体内においても障害血管では血栓形成が促進されやすく、かつ組織修復のための細胞移動に必要な細胞性線溶に起因する蛋白分解活性などが起こりにくいことが予想され、動脈硬化巣形成をさらに促進するのであろう。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 松尾 理: "組織性プラスミノゲンアクチベータとその特異的レセプター" 医学のあゆみ. 170. 504-507 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 上嶋 繁、松尾 理: "線溶系の調節" Bio Clinica. 9. 407-410 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 松尾 理、深尾偉晴、上嶋 繁、岡田清孝: "温熱刺激による血管内皮細胞のt-PA receptor発現の解析" 近畿大学環境科学研究所研究報告. 22. 221-222 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Nonaka T,et al.: "Effect of cyclic AMP on urokinase-type plasminogen activator receptor and fibrinolytic factors in a human osteoblast-like cell line" Biochimica et Biophysica Acta. (in press).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 松尾 理、深尾偉晴: "組織性プラスミノゲンアクチベータの特異的受容体" 血液・腫瘍科. (印刷中).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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