研究課題/領域番号 |
06670087
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
松井 信夫 中京大学, 体育学部, 教授 (50023643)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アルドステロン / pH / トリス(THAM) / カリウムイオン / ACTH |
研究概要 |
[目的]人に激しい運動を負荷すると血清pHが低下(H^+が上昇)し、運動終了後約60分で前値に戻る。このpHの低下は疲労の因子として注目されている。主要な電解質調節ホルモンであるアルドステロンは、腎においてNa^+の再吸収と交換にK^+およびH^+を排出する。一方、K^+はアルドステロン分泌を刺激しアルドステロンとK^+の間にはフィードバックループができているが、H^+のアルドステロン分泌への影響は明らかでない。一般にH^+の上昇、低下に際してK^+も上昇、低下するためH^+のアルドステロン分泌への影響を検討するにはK^+の影響を排除する必要がある。本研究ではH^+を低下させるがK^+を変化させないアルカリ化剤、THAM(Trishydroxymethyl aminomethane)を経口投与し、アルドステロン分泌におよぼすpHの影響について検討することを目的とした。 [方法]健康な男子6名を被検者とし、体重1Kg当り2.4mmoleのTHAMを投与し、投与前、30、60、90、120分後に、動脈化した前腕背部表在静脈から採血した。 [結果と考察]THAM投与後血液pHは7.40から7.45へ有意に上昇した。一方K^+は3.92から90分後に4。09mEq/lへ僅かに上昇したが有意な変化ではなかった。血清アルドステロンは169pg/mlから136pg/mlまで有意に低下した。このpHの変化とアルドステロンの変化の間には有意な相関がみられ、pHの上昇に伴ってアルドステロン分泌が減少することが示唆された。しかしながら、アルドステロン分泌の他の調節ホルモンであるACTHも13.1から8.9pg/mlへ低下し、アルドステロンの変化がACTHに依存した可能性を除外できなかった。血奬レニン活性は上昇しており、アルドステロンの低下とは逆の変化であった。以上、pHがアルドステロン分泌に影響する可能性が示唆されたが、ACTHの影響を排除した実験の必要性が示された。
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