研究課題/領域番号 |
06670116
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
緒方 宣邦 九州大学, 医学部, 助教授 (80091255)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ナトリウムチャネル / テトロドトキシン / 後根神経節細胞 / パッチクランプ法 / 遺伝子工学 / メッセンジャーRNA / イオンチャネル / 神経細胞 |
研究概要 |
感覚受容器に加えられた様々な感覚刺激は、一次知覚ニューロンの軸索である知覚求心神経線維において、活動電位に変換されるが、活動電位は神経細胞膜に存在するナトリウム(Na)チャネルの興奮(開口)によってNaイオンが細胞内に流入することによって引き起こされる。従って、Naチャネルは感覚情報の処理において重要な役割を担っている。私たちは、一次知覚ニューロンにおいて、機能的にも薬理学的にも性質が極めて異なる、二つのタイプのNaチャネルが存在することを明らかにした。一つのタイプは従来から多くの興奮性細胞において観察されているもので、低濃度のテトロドトキシン(TTX)によって抑制され、速い活性化および不活性化のカイネティクスを持つチャネルである。もう一つのタイプは一次知覚ニューロンに特異的に存在し、高濃度のTTXによっても全く影響を受けず、チャネルカイネティクスも前者に比較して著しく遅い(TTX-非感受性Naチャネル)。TTX-非感受性Naチャネルは一次知覚ニューロンのうち、比較的小型で無髄神経線維を発するものに選択的に存在し、主に痛覚信号の処理を担っていると考えられる。通常のNaチャネル、即ちTTX-感受性のNaチャネルに関しては、既にクローニングが成功し、その一次アミノ酸配列が決定されている。しかしTTX-非感受性Naチャネルに関しては、まがその構造が決定されていない。そこで私たちはTTX-非感受性Naチャネルの機能に関して、遺伝子工学的方法を用いてその機能的側面を検討した。ラット後根神経節細胞よりメッセンジャーRNAを抽出し、それをアフリカ爪ガエルの卵母細胞に注入し、その発現を観察することを試みたが、これは後根神経節から得られるメッセンジャーRNAの総量が極めて少なく、卵母細胞に注入した時に、有意なナトリウム電流を発生することが出来ず、はかばかしい結果は得られなかった。そこで現在は、アプローチを変えて、既知のナトリウムチャネルよりオリゴヌクレオチドプローブを作成し、PCR法によりナトリウムチャネルの一部構造を増幅し、ノーザンブロット法により特異的ナトリウムチャネルの検出を行っている。
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