研究課題/領域番号 |
06670133
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
|
研究分担者 |
川原田 良彦 秋田大学, 医学部, 助手 (10091802)
寺田 邦彦 秋田大学, 医学部, 講師 (60197796)
三浦 直行 秋田大学, 医学部, 助教授 (40165965)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | LECラット / セルロプラスミン / ウイルソン病 / 肝炎 / 肝癌 / 銅代謝酵素 / ゴルジ装置 / 銅トランスポータ |
研究概要 |
LECラットは、銅の排出経路である血中へのセルロプラスミンとしての放出と胆汁排出の経路が遺伝的に著しく低下しており、これが肝への銅蓄積の原因であることが報告されている。最近、ヒトウイルソン病の原因遺伝子が同定され、P型ATPaseに属する銅トランスポータであることが判明した。さらにヒトウイルソン病のモデルであるLECラットについても本遺伝子の部分的な欠失がその原因であることが分かった。そこで、今回LECラットにおける肝臓における銅の輸送系の異常を明らかにした。 正常ラットとLECラットから肝臓の小胞体、ゴルジ装置を細胞分画し、得られた画分に存在するセルロプラスミンについて非変性条件下電気泳動法、ウェスタンブロット法によりのホロとアポを同定した。変性(SDS)条件下での電気泳動の結果では、ゴルジ画分に存在するセルロプラスミンの分子量が滑面小胞体のそれより大きくなっていた。これは糖鎖の付加によるもので、LECラットでも正常に糖鎖の修飾が行なわれていた。一方、未変性条件下での電気泳動の結果、SDラットではゴルジ画分でホローセルロプラスミンが同定できたが、LECラットではいずれの画分からも同定できなかった。以上の結果、セルロプラスミンの蛋白生合成、糖鎖修飾、およびゴルジ装置までの蛋白輸送のそれぞれの過程を明らかにでき、セルロプラスミンのホロ化(銅結合)はゴルジ装置内で行なわれることが分かった。LECラットでは、ゴルジ装置内でのホロ化機構に異常があると考えられた。 LECラットの場合、アポセルロプラスミンがホロ化出来ない原因として、P型ATPaseに属する銅トランスポータがゴルジ装置に存在しないか、あるいは機能の異常によりゴルジ装置にフリー銅が供給されないと考えられる。同様に胆管側の銅トランスポータの機能異常により銅の排泄障害が起こり肝細胞に銅の異常蓄積がおこるのであろう。
|