研究課題/領域番号 |
06670136
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
小川 宏文 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30111743)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ラット / 日内リズム / セリン脱水酵素 / mRNA / DBP / HMG-CoAレダクターゼ / 視交叉上核 / 開腹手術 |
研究概要 |
ラット肝に存在するセリン脱水酵素(SDH)mRNAの日内リズムの生成機構を幾つかの観点から調べた。1.ストレスの影響 開腹手術を施すとmRNAは一過性に上昇する。この上昇には、副腎からのグルココルチコイドと、肝臓に至る交感神経からのカテコールアミン放出が関与していることが示唆された。mRNAが日内リズムを示す他の遺伝子、DBPとHMG-CoAダクターゼ(HMGR)を調べたが、全く影響がなかった。このことから、ストレスに依る誘導はセリン脱水酵素遺伝子に特有の現象であると思われる。2.日内リズムの発生 上記3つの遺伝子が誕生後どのように現れてくるかを調べた。生後2-3日から、1-5週令のラットを4時間毎に殺して、mRNAを定量した。すると、SDHでは生後すぐにリズムが形成されていた。しかし、それは成人型のパターンではなく、成人型のリズムは5週令に完成される。一方、DBPは発育とともに徐々にリズムが形成されて行くタイプであった。HMGRは離乳後にリズムが生じ、5週令で成人型のパターンとなる。糖新生は生後すぐに生じることが知られているが、今回の結果は、SDHのmRNAリズムが糖新生に深く係わることを示している。3.視交叉上核の破壊 視交叉上核はリズム発生の中枢である。この核を破壊すると多くのリズムは消失することが知られている。上記3つのmRNAのリズムは視交叉上核破壊で消失はしなかったが、位相はかなりずれた。いずれにしても視交叉上核はmRNAのリズム発現に深く関与することは間違いないことが分る。4.SDHの肝臓内での特異的発現 SDHのタンパク、及びmRNAが肝臓のどの部位に存在するかをin situhybridization法で調べた。するといかなる条件下でも、SDH遺伝子は門脈周辺部でのみ発現し、中心静脈周辺では発現していないことが明らかとなった。この事実は、解糖は中心静脈周辺部で、糖新生は門脈周辺部で起こるという考え(メタボリック・ゾーネーション)を強く支持するものである。
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