研究概要 |
(1)β1,4GalNAc転移酵素タンパク質の局在と局在シグナル部位の同定。本酵素の膜貫通部位を完全にdeleteしたmutantのtransfectantを作製し、酵素活性が認められないことを確認した。膜貫通部位の前後を含む部位を数個のアミノ酸に分けた各々のdeletion mutantを作製。これらを一過性の発現系により酵素タンパクを発現させ、その酵素活性と局在を検討することにより、酵素活性及びGolgiへの局在に必須な部位の同定を試みた。 (2)(1)のmutantの発現に、局在が修飾された時の酵素活性及び発現糖鎖を定量的に解析することにより、酵素のGolgiへの局在の重要性を検討した。 (3)β1,4GalNAc転移酵素遺伝子cDNAをマウス及びヒトメラノーマに導入した場合、本酵素の発現を認めるとともに、α2,8シアル酸転移酵素の著しい活性低下を認めた。一方、α2,3シアル酸転移酵素は役1/2に低下するにとどまった。よってβ1,4GalNAc転移酵素とα2,8シアル酸転移酵素はGolgi膜上での局在を競合するなどの高い相互関係を有することが推定された。 (4)β1,4GalNAc転移酵素上に存在する3ケ所のN型糖鎖付加部位のAsnをGin置換して変異cDNAを作製した。これらの変異cDNA及び野性型cDNAを導入・発現した細胞では同程度のGM2発現を認めたが、細胞より抽出した膜分画における酵素活性はN型糖鎖が欠失する程、低下することが判明した。
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