研究概要 |
極長鎖脂肪酸アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症患者に由来する8例の皮膚繊維芽細胞から総RNAを抽出し,RT-PCR法によりcDNAを調製した。10組のforward・reverseプライマーを合成し,各cDNA標品をPCRにて増幅させ,得られたcDNAフラグメントをシークエンスして変異解析結果を得た。VLCAD患者番号(1〜8)の順に変異を記載する。 1.309-310の2base,1435-1532の98baseと1606-1609の4baseから或るdouble deletion,heterozygous 2.1078-1182の105base deletion,homozygous 3.2と同一 4.343-477の135base deletion,1837(C→T),heterozygous 5.388-390の3base deletion,homozygous 6.892-894の3base deletion,homozygous 7.6と同一 8.388-390の3base deletion,1144(A→C),heterozygous 上述したように3種の変異は2人の患者に共通しているが,hot spotは存在しないようにである。これらの変異を持つDNAを発現プラスミド(pCXN_2)に入れ,各々をCHO細胞で発現させると,合成されたmRNA又は蛋白のいずれかが極度に不安定であり,これらの変異がdisease causing mutationであることが証明された。deletion変異が多いことから,ゲノムDNAレベルでの変異解析の重要性が示唆された。
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