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覚醒中枢(後部視床下部)における神経伝達調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06670176
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 病態医化学
研究機関(財)大阪バイオサイエンス研究所

研究代表者

尾上 浩隆  財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究員 (80214196)

研究分担者 渡辺 恭良  財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究部長 (40144399)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード睡眠 / 視床下部 / プロスタグランジン / グルタミン酸神経 / 非NMDA型受容体 / サル
研究概要

脳における睡眠-覚醒の生理的な調節には、神経伝達物質を始めとする様々な脳内物質が関与しており、それらが複雑なネットワークを形成し、その機能を調節している。しかし、これらの物質の神経化学的な機構については不明な部分が多く、このため睡眠の生理的役割についても今だに想像の域を脱していない。睡眠の本質的な機能を明らかにするためには、まず、それぞれの神経回路において、生化学的、分子的な相互関係について一つ一つ明確にしてゆくことが重用である。すでに我々は、神経伝達の調節物質であるプロスタグランジン(PG)E_2は脳において睡眠-覚醒の生理的な調節に深く関与しており、またその作用部位は、古くから覚醒中枢として知られる後部視床下部である事を明らかにしている。そこで今回我々はマイクロダイアリシス法を用い、PGE_2の覚醒作用の作用機序すなわちPGE_2が後部視床下部においていかなる神経回路に関与して覚醒を引き起こすのか神経伝達の相互関係を明らかにするための薬理学的なアプローチを行った。これまで後部視床下部には脳のほぼ全域にその軸索を送っているヒスタミン神経細胞が存在し、覚醒と非常に深い関係があることが知られていた。しかしPGE_2の作用には、種々のヒスタミン受容体のアンタゴニストやヒスタミン生合成阻害剤は全く効果がなく、PGE_2はヒスタミン神経系には直接作用しないが判った。同様にアセチルコリン系やカテコールアミン系についても検討したが、これらもまた、PGE_2の覚醒作用には直接関与していなかった。さらに、種々の薬物が検討された結果、後部視床下部のグルタミン酸神経系が関与していることが明らかになった。すなわち、PGE_2の覚醒作用はグルタミン酸非NMDA型の受容体アンタゴニストで完全に押えらた。また、NMDA型の受容体でアンタゴニストには効果がなかったことから、この調節系にはNMDA型ではなく、非NMDA受容体のみが関与していることが明らかになった。さらに、グルタミン酸非NMDA型の受容体のアゴニストそのものにも特異的な覚醒作用が見い出されたことから、後部視床下部における、グルタミン酸神経系を中心とした睡眠-覚醒の調節機構が明らかになった。このような視床下部のグルタミン酸神経系による睡眠-覚醒調節機構については、これまで全く知られておらず、我々が今回、独自に発見したものである。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Onoe,H.: "Ketamine increases the striatal N-〔^<11>C〕 methylspiperone binding in vivo: Positron emission tomography study using conscious rhesus monkey" Brain Research. 663. 191-198 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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