研究課題/領域番号 |
06670179
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
高木 敦子 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (90179416)
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研究分担者 |
山本 章 国立循環器病センター研究所, 名誉所員 (00028408)
池田 康行 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (90176107)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | リポ蛋白リパーゼ / 高トリグリセリド血症 / IV型高脂血症 / ヘテロ接合体 / 直接塩基配列決定法 / 高脂血症 / ポリモルフィズム / ハプロタイプ |
研究概要 |
高頻度に出現する高トリグリセリド(TG)血症(TGが150mg/dl以上の病態:WHO分類でのIV型が高頻度)は動脈硬化症への危険因子として認識されている。本研究において我々の開発したサンドイッチ-EIA法によるリポ蛋白リパーゼ(LPL)蛋白測定系とLPL遺伝子解析によって、原発性IV型高脂血症の病因を解明した。原発性IV型を示す外来患者の中に高頻度に(32名中24名:75%)LPL蛋白値が正常の2分の1以下のLPL蛋白低値者が存在した。この正常の半分かそれ以下のLPL蛋白値をもたらす遺伝的背景をSSCP法と本研究の過程で改良した直接塩基配列決定法を用いて調べた。その結果、24名中DNA入手可能であった18名のうち14名が遺伝子レベルでLPL遺伝子異常へテロ接合体であった。よって、原発性IV型の遺伝背景には、LPL遺伝子異常ヘテロ接合体が存在することがわかった。LPL遺伝子の5種類のコモンポリモルフィズム部位でのアレルのちがいや、これらによって構成されるハプロタイプのちがいはLPL蛋白量に影響しなかった。正常の2分の1かそれ以下といったLPL蛋白値の低下を引き起こす原因は、やはりLPL遺伝子異常ヘテロ接合体によることがより明確になった。この遺伝背景に負荷する因子として、アルコール多飲(33g/日)が有力な負荷因子であった。なお、正常LPL蛋白値を示すケースでは、同程度のアルコール摂取量ではIV型高脂血症を引き起こさない。 以上より、原発性IV型高脂血症の病因遺伝子はLPL遺伝子異常ヘテロ接合体であり、ここにアルコール多飲等のTG合成負荷因子が加わって本症が発症することが明かとなった。 更に、集団検診で、LPL蛋白低値者を同定できるようになれば、IV型を引き起こす前に、ライフスタイルの改善を行うことができ、IV型の予防が可能であり、抗動脈硬化症に貢献するものと思われる。
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