研究課題/領域番号 |
06670239
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 大阪大学 (1995) 和歌山県立医科大学 (1994) |
研究代表者 |
松浦 成昭 大阪大学, 医学部, 助教授 (70190402)
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研究分担者 |
村田 厚夫 大阪大学, 医学部, 講師 (00200288)
青笹 克之 大阪大学, 医学部, 教授 (30115985)
宇都宮 洋才 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60264876)
覚道 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00112037)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 骨転移 / インテグリン / VCAM-1 |
研究概要 |
1細胞への遺伝子導入:Chinese hamster ovary (CHO) cellにインテグリンα4鎖(あるいはα4β1両鎖)cDNAを遺伝子導入したところ、十分な発現のあることがフローサイトメトリー法および免疫沈降法により確認された。 2細胞の生物学的解析:インテグリンα4β1のトランスフェクタント(α4-CHO)について、そのリガンドであるVCAM-1およびフィブロネクチンCS-1タン白に対する接着実験を行なった。その結果、発現したインテグリンα4β1はそれらリガンドに接着し、十分な機能があることを確認した。 3転移実験:α4-CHOあるいは母細胞(CHO)をヌードマウスに投与し実験転移を検討した。その結果、CHOは肺にのみ転移がおこったのに対して、α4-CHOは骨にも高率に転移を認めた。組織学的には主として骨髄領域に腫瘍細胞が存在し、一部では骨破壊性に周囲に浸潤していた。また、骨髄のみに微少な転移巣が見られることもあり、転移の形成が骨髄から起こると考えられた。マウスの中には脊髄に転移し、周囲の神経根を圧迫して、下肢の麻痺を来す例が見られ、これは臨床上でも脊髄転移の時にしばしば見られる現象で興味深かった。インテグリンα4鎖およびリガンドであるVCAM-1の中和抗体を併用することにより、α4CHOによる骨転移は80-90%阻害された。骨髄中にはVCAM-1を恒常的に発現している細胞(stroma cell)が存在するので、α4-CHOの細胞表面にあるインテグリンα4β1とVCAM-1との接着により、α4-CHOが骨髄中にとどまり、増殖したと考えられた。臨床的にインテグリンα4β1を発現している腫瘍細胞は骨に転移を形成することが予想され、そのメカニズムを阻害することにより転移の抑制が期待される。
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