研究概要 |
マウスマラリアPlasmodium bergheiに対する赤外型ワクチンモデルの作成のためにPlasmodium berghei CS蛋白に対する細胞性免疫応答の誘導を試みた。宿主にはBALB/cマウスを使用した。15EA02:1、Plasmodium bergheiのCS蛋白に対してキラーT細胞を誘導するためにH-2K^d拘束性のキラーT細胞エピトープとして知られるNDDSYIPSAEKIを合成し、同ペプチドと熱ショック蛋白70(hsp70)を混合し37℃で1時間インキュベートすることにより結合させた。この結合はATPに感受性があるためATP、Mg^<2+>の存在下で結合したペプチドはhsp70から解離する。 2、このhsp70-ペプチド複合体10μgでマウスを隔週2回免疫しその脾細胞をin vitroで同様のペプチドで刺激し、得られたキラーT細胞の活性は同じペプチドをp815(H-2^d)腫瘍にパルスした細胞を標的細胞としクロム51遊離法で検出した。 3、in vitroにおけるペプチド刺激の際、どれくらいのペプチド濃度の時に最も強いキラー活性が得られるかを調べるために1x10^4,1x10^5,1x10^6,1x10^7,1x10^8M濃度のペプチドで刺激を行ったところ1x10^6及び1x10^7Mで低いながらも一番強い活性が認められた。 4、さらに初期培養の際にIL2を添加することによりキラー活性が増強するかを検討したが、いずれのペプチド濃度で刺激した際にも活性は逆に低下することがわかった。 5、初期培養で得られた弱い活性をもつ細胞をさらに同様のペプチドで再刺激を行いこれを繰り返すことにより、さらなる活性の増強が認められたため、現在T細胞培養株の確立を進めている。
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