研究課題/領域番号 |
06670295
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中澤 晶子 山口大学, 医学部, 教授 (40053053)
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研究分担者 |
長田 久美子 兵庫医科大学, 講師 (90068502)
津田 政孝 (津田 雅孝) 岡山大学, 理学部, 助教授 (90172022)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ感染 / ウレアーゼ / サイクロデキストリン / 遺伝子破壊 / ヌードマウスモデル / プロトンポンプ阻害剤 / 走化性 / 持続感染 / ヘリコバクター・ピロリ / ヌードマウス |
研究概要 |
1. H. pylori分離・増殖用培地として、0.1%のβ-シクロデキストリン-1%のウマ血清添加ブルセラ培地を考案した。この培地は、発育、毒素産生、臨床材料からの分離効率において従来の血清添加培地と同様であった。 2. MobleyらのプラスミドのureB遺伝子にKm耐性遺伝子を挿入したプラスミドを作成し、H. pylori野生株に電気穿孔法で導入し、ureB遺伝子破壊変異菌を作成した。野生株と変異株は、液体培地での発育速度、運動性、空胞化毒素産生能に差違が認められなかった。一方、変異株はウレアーゼ活性を示さずpH2での尿素依存性生残能も消失していた。これらの菌株をヌードマウスの胃内に投与し、感染の有無を調べた結果、野生株投与群では胃炎像を認め、胃粘膜からH. pyloriが回収されたが、変異株投与群では、組織学的変化、細菌の定着のいずれも認められず、ウレアーゼが胃粘膜への定着に必須であることが証明された。 3.ウレアーゼ変異株を用いてPPIの一種ランソプラゾールのH. pyloriに対する抗菌作用がウレアーゼ阻害活性と無関係であることを証明した。 4.形質転換能が高く発育のよい臨床分離株から16kbのウレアーゼ遺伝子群領域をクローン化し、大腸菌で活性ウレアーゼを産生することを確認した。ウレアーゼ関連遺伝子のうちH. pyloriに固有の遺伝子ureIの破壊変異菌を作成した。この変異株はアポ酵素を産生し、本遺伝子が酵素の活性化に関与することが推定された。 5. H. pyloriが尿素、ウレアーゼ阻害剤に対して走化性を示すこと、ウレアーゼ欠損株でも程度は低いが走化性が見られることを見出した。さらに本菌は炭酸水素イオンに対しても走化性を持つことが示された。これら走化性が、本菌の初期感染時のみでなく、持続感染に大きな意義を持つことが推測された。
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