研究課題/領域番号 |
06670296
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
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研究分担者 |
片岡 佳子 徳島大学, 医学部, 教務員 (40189303)
木内 武美 徳島大学, 医学部, 講師 (80136217)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 非ステロイド系抗炎症剤 / 小腸潰瘍 / 腸内菌 / 無菌動物 / ノトバイオート / Lactobacillus acidophilus / Bifidobacterium adolescentis / 大腸菌 |
研究概要 |
非ステロイド系抗炎症剤である5-bromo-2-(4-fluorophenyl)-3-(4-methyl-sulfonylphenyl)thiophene(BFMeT)が誘発するラット小腸潰瘍形成と腸内菌叢の関係について調べた。 (1)無菌動物や抗生物質処理によって腸管内の細菌数を減少させた動物にBFMeTを投与しても、潰瘍が形成されなかった。 (2)Bifidobacterium adolescentisやLactobacillus acidophilusのノトバイオートでは、潰瘍形成が見られなかったが、大腸菌やEubacterium limosumのノトバイオートでは潰瘍が形成された。 (3)SPFラットでBFMeT投与によって潰瘍形成が100%起こる場合でも、B.adolescentisやL.acidophilusの菌液やB.breveとStreptococcus thermophilusの入ったヨ-グルト(ビフィール)を飲料水として投与すると、潰瘍形成が減少した。 (4)潰瘍が形成されたラットでは、回腸部の腸内菌叢の変化が起こり、優勢菌であるLactobacillusが減少し、正常ではほとんど検出されないグラム陰性桿菌である大腸菌、Klebsiella,ProteusおよびBacteroidesが増加しており、潰瘍形成が抑制されたラットでは、これらのグラム陰性桿菌の増殖が抑えられていた。 (5)潰瘍形成の抑制効果はL.acidophilusおよびB.adolescentisの菌体よりは培養上清(代謝産物)にあることがわかった。 これらの結果は、非ステロイド系抗炎症剤で誘発されるラット小腸潰瘍形成およびその抑制に腸内菌叢が重要な役割を果たしていることを示したものである。
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