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ゲノム変化によるJCウイルスの病原性発現

研究課題

研究課題/領域番号 06670321
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 ウイルス学
研究機関東京大学

研究代表者

余郷 嘉明  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60092376)

研究分担者 原 和矢  北里大学, 医療衛生学部, 助手 (60164993)
北村 唯一  東京大学医学部, 付属病院・分院, 助教授 (70010551)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードゲノム変化 / JCウイルス / 病原性発現
研究概要

ヒトポリオーマウイルスJC(JCV)はヒト集団に広く蔓延しているが,時として進行性多巣性白質脳症(PML)を惹起する。これまでJCVがどのようにしてPMLを発症させるか全く不明であった。しかし最近、体内に持続感染しているJCVが変異して、PMLを発症させる強毒JCVになるという説が有力になっている。1990年に我々は、その依り所となった発見をした。即ち、健常人と非PML患者の尿から初めてJCV DNAを直接クローニングした。当時JCVは専らPML患者の脳からクローニングされていた。PML患者脳からクローニングされたJCV(PML型JCV)の特徴は、その調節領域が極めて多様であることにある(この調節領域をPML型調節領域と言う)。これに対して、我々が尿からクローニングしたJCV DNAの調節領域は一定の構造を保っていた(これを原型調節領域と呼ぶ)。我々は、原型調節領域とPML型調節領域の構造を比較し、後者は前者から塩基配列の再編成によって作り出せることを見いだした。本研究の目的は、新たにPML患者の脳からJCV DNAをクローニングし、原型調節領域とPML型調節領域との関係をさらに検討することである。4名のPML患者の剖検脳からJCV DNAをクローニングすることに成功した。患者の内訳は、日本人3名、アメリカ人1名であった。全ての患者から複数のクローンが得られた。これらのクローンの構造を解析した結果、次のことが明らかとなった。1.調節領域の構造は患者毎に異なり、また既知のPML型調節領域とも異なった。2.全ての調節領域は原型調節領域から塩基配列の再編成によって作り出せることが確認された。以上の結果は、持続感染しているJCVの調節領域に再編成が無規則的に起きて、いろいろな変異ウイルスができ、そのうち中枢神経系でよく増えるウイルスが選択されたことを示唆している。現在、原型調節領域とPML型調節領域との機能比較を、アデノウイルスベクターを用いて検討している。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kenzo Kato: "Phylogenetic comparison between archetypal and disease-associated JC virus isolates in Japan" Jpn.J.Med.Sci.Biol. 47. 167-178 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Tadaichi Kitamura: "Alteration in the JC polyomavirus genome is enhanced in immunosuppressed renal transplant patients" J.Clin.Microbiol.32. 2359-2363 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Tadaichi Kitamura: "Transmission of human polyomavirus JC virus occurs both within the family and outside the family" Virology. 198. 341-345 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Tadaichi Kitamura: "Effect of immunosuppression on the urinary excretion of BK and JC polyomaviruses in renal allograft recipients" Int.J.Urol.1. 28-32 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Yoshiaki Yogo: "Occurence of multiple JC virus variants with distinctive regulatory sequences in the brain of a single PML patient" Virus Genes. 8. 99-105 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 山内一也: "スローウイルス感染とプリオン" 近代出版, 305 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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