研究課題/領域番号 |
06670357
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡田 全司 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40160684)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | IL-6遺伝子ノックアウトマウス / IL-6遺伝子 / IL-6transgenicマウス / アデノウイルス・ベクター / キラーT細胞 / T細胞分化 / IL-6レセプター / gp130レセプター |
研究概要 |
1.IL-6遺伝子ノックアウトマウスを用いたT細胞分化機構の解析:IL-6遺伝子ノックアウトマウス[IL-6(-/-)]はMax Plank研究所、G.Kohler博士が作製したものを共同研究で用いた。まずinvitroのMLTCの系において、アロ抗原を刺激細胞として用いた場合、IL-6(-/-)マウス脾細胞又は胸腺細胞は正常マウスのそれらに比しアロ抗原特異的キラーTの分化誘導が著明に抑制された。さらに、in vivoの系でp815癌細胞に対するキラーT分化を検討した結果、IL-6(-/-)脾細胞では正常マウス脾細胞に比し極めて弱いキラー活性しか認められなかった。すなわち、IL-6産生欠損マウスではキラーTの分化が阻止されることが明らかにされた。 2.IL-6transgenic(Tg)マウスを用いたT細胞分化機構の解析:IL-6Tgマウスではアロ抗原のみでなく同系腫瘍(免疫原性のFBL-3白血病及び低免疫原性のEL-4リンパ腫)に対する腫瘍特異的キラーTの分化誘導と抗腫瘍効果(腫瘍退縮)を示した。 IL-6transgenicSCIDを用いた生体内抗ヒト腫瘍効果の解析:IL-6TgSCIDに胃癌患者PBLを投与し、さらに自己胃癌細胞をi・p投与した。その結果自己癌に対するヒト・キラーT細胞が誘導され、ヒト癌に対する抗腫瘍免疫応答の迅速な生体内解析モデルが初めて確立された。 アデノウイルス・ベクターに導入したサイトカイン(IL-6)遺伝子(Adex・IL-6)の直接担癌生体投与によるT細胞分化誘導:Adex・IL-6をFBL-3白血病担癌マウスにi・p投与しCD8陽性腫瘍特異的キラーTの分化誘導を初めて明らかにした。このAdex・IL-6はヒトB腫瘍が生着したSCID-huにてもヒトB細胞癌に対するキラーT分化を誘導した。 以上1.〜4.の結果より、IL-6はマウスのみでなくヒト生体内におけるキラーT分化にいかに重要な働きをしているかを初めて明らかにした。
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