研究課題/領域番号 |
06670377
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 大阪大学, 医学部, 講師 (00188161)
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研究分担者 |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 活性酸素 / DNA損傷 / ヒト / 8ヒドロキシデオキシグアノシン / HL60 / 鉄 |
研究概要 |
活性酸素によるDNA損傷(酸化的DNA損傷)は発がん・老化過程で重要な役割を演じている。本研究では、ヒトにおける酸化的DNA損傷の誘発機構の解明・修飾因子の検討を通して最終的にそれを防御・抑制する目的で、以下の実験を行った。1.ヒト細胞に効率良く酸化的DNA損傷を誘発する実験系を開発し、その誘発機構・修飾因子について検討した。すなわち、好中球様細胞に分化したヒト培養細胞HL60をフォルボールエステルで刺激し、活性酸素(02-)の発生及び酸化的DNA損傷(80HdG)の産生を確認した。この系における80HdG誘発機構は、アニオンチャンネル経由で細胞内に入った02-により還元された鉄と、細胞外で02-の不均化により生じ細胞内に透過してきた過酸化水素とが、DNA近傍でFenton反応を起こしOHラジカルを生成し80HdGを誘発したと考えられた。この系を用いることにより、今までDNA損傷を誘発しないと考えられていた腫瘍プロモーターのカリクリンAがDNA損傷を誘発すること、活性酸素消去酵素以外にアニオンチャンネル阻害剤や鉄キレート剤がDNA損傷を防御することが判った。また、ヒト末梢血顆粒球も好中球様細胞に分化したHL60とほぼ同じ反応を示したため、この系がヒトにおける酸化的DNA損傷誘発系及びその修飾因子、特に防御因子検索系として用い得ると考えられた。2.発がん高リスク群の予知や、発がん予防の指標として80HdGが用い得るか否かを検討するための基礎資料として、健常人末梢血白血球の80HdGを定量した。その結果、健常人では80HdG値の個体差が非常に小さいことが判ったが、それと同時にこのような僅かな差の検出を要求される研究では、現在研究レベルで使われている80HdG測定法の精度を高める必要があることも判った。目下、誤差を誘発する要因を検討し、より精度の高い80HdG測定法を開発中である。
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