研究課題/領域番号 |
06670388
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
富永 國比古 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50254032)
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研究分担者 |
安部 一郎 立教女学院短期大学, 助教授
前田 明 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40264543)
菊池 祥子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40254031)
中村 和利 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70207869)
田中 正敏 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90112721)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 小児脂肪肝 / 体脂肪分布 / Syndorome-X |
研究概要 |
1.1994年東北地方A町立の公立中学校生徒844名を対象として体脂肪分布、超音波断層法を用いた脂肪肝の測定を実施した。脂肪肝の診断は肝実質のエコーレベルの上昇、音響減衰の増加、肝内脈管の不明瞭化の三項目を基準とし各項目毎に0、1、2点とスコアー化しその総合得点で評価した。脂肪肝(スコアー>or=3)の有病率は全体で2、25%、男子3、4%、女子0、99%(X^2=4.43、 P<0.05)であった。体脂肪分布の変数である体重、Waist/Hip比、腹壁皮下脂肪厚に関しては脂肪肝のグループの方がそうでないグループに較べて大きく、統計学的に有意の差が認められた(P<0.0005)。年齢、身長に関しては脂肪肝のグループの方がそうでないグループとの間に有意の差はなく、小児の成長と脂肪肝発症との間には関連がないことが示唆された。 2.肝脂肪侵潤あり(スコアー>or=1)と診断されたもの27名を症例とし、肝脂肪侵潤なく肥満でもないもの65名をランダムに選んでコントロールとした。インスリン、C-Peptide, C-Peptide/インスリン比、血糖、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、収縮期血圧、拡張期血圧各々の変数について肝脂肪侵潤が認められたグループではインスリン、C-Peptide、中性脂肪、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、収縮期血圧、拡張期血圧がコントロールに較べて有意に高く(P<0.01)、C-Peptide/インスリン比、HDLコレステロールはコントロールに較べて有意に低かった(P<0.01)。また、血糖、総コレステロール値については両グループに有意な差は認められなかった。 3.以上の疫学的研究結果より、すでに小児期において脂肪肝が注目すべき有病率をもって存在すること、小児脂肪肝発症には性差が存在すること、Syndorome-X(インスリン抵抗性症候群)の発症の基盤として脂肪肝の存在が重要であることが示唆された。
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