研究課題/領域番号 |
06670402
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甲斐 一郎 東京大学, 医学部(医), 助教授 (30126023)
|
研究分担者 |
大井 玄 東京大学医学部, 教授 (70114410)
久田 満 東京大学医学部, 助手 (50211503)
小林 康毅 帝京大学, 医学部, 助教授 (70178341)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 高齢者 / ソーシャル・サポート / 主観的幸福感 / サポート交換 / サポート提供 / サポート受領 |
研究概要 |
近年、我が国においても、ソーシャル・サポート、すなわち個人をとりまく家族や地域社会からの社会的支援が、健康の維持・増進に対してはたす役割が注目されてきている。先行研究によれば、サポートの影響は、特に高齢者で強いことが指摘されており、高齢者の健康維持を考える上で、サポートは考慮すべき重要な要因と考えられる。従来のサポート研究は、サポートの受領を主として研究対象としてきたが、本研究は、サポートの授受のバランスがとれた(すなわち、他人からのサポートがあり、かつ自らも他人を助けている)状態が主観的幸福感を高めるという仮説のもとにおこなわれた。 すでに、長野県佐久市において、60歳以上の高齢者コホートの追跡調査を実施しているが、今回、この集団に対して時記式アンケートをおこない、配偶者、子供、友人のサポート源ごとに、情緒的(emotinal)、手段的(instrumental)なサポートの受領、提供のバランスと、PGCモラールスケール(PGC)の得点との関係を検討した(n=1,328)。具体的には、各サポート源からのサポートの授受の頻度の多少により4群に分けると、サポートの受領、提供、ともに高頻度の群において、他の群よりもモラールが高いことが主な作業仮説である。 分散分析の結果、配偶者、子供、友人のすべてのサポート源について、受領サポート源について、受領サポートとPGCとは負の相関を示した。すなわち、受領が少ない者ほどPGCが高い傾向にあった。提供サポートについては、友人とのサポート交換について、PGCと正の相関が認められ、友人にサポートを提供する者ほどPGCが高い傾向にあった。以上の結果は、作業仮説とは一致しないが、サポート提供が高齢者の主観的幸福感維持に与える影響が大きいことが示唆されたと考えられる。
|