研究課題/領域番号 |
06670415
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 久雄 京都大学, 医学部, 助手 (20205561)
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研究分担者 |
糸川 嘉則 京都大学, 医学部, 教授 (80025593)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Atrophy / recovery / oxidative stress / Hydroxyl radical / Nitric oxide |
研究概要 |
現在、我が国では寝たきり老人が増加して社会問題となっており、廃用性筋萎縮は重要な課題となってきている。我々は従来から、廃用性筋萎縮において酸化的ストレスが生じており、それが筋萎縮そのものを促進していることを示してきた。これらを受けて今回の研究では、廃用性筋萎縮における種々の活性酸素種の産生を実際に証明するとともに、廃用性筋萎縮からの回復過程においても酸化的ストレスが生じていることを明らかにしたので報告する。 先に我々は、抗酸化酵素活性や組織化学的検討から細胞質におけるH_2O_2の増加を示し、さらに小胞体分画における鉄の増加から、萎縮筋の細胞質における・OH radicalの産生増加の可能性を示唆してきた。そこでサリチル酸を・OHの補足剤として用いることにより、萎縮筋における・OHの産生をin vivoで実際に検証した。萎縮筋では・OHに特異的な2,3-dihydroxybenzoic acidが有意に増加しており、確かに・OHの産生が萎縮筋で増加していることが証明された。 またH_2O_2と同様に比較的長寿命の活性酸素種であるNOについても検討した。NO synthase(NOS)活性は^3H-arginineを用いたcitrulline法で測定した。廃用性萎縮筋では特にCa依存性NOSが8日間・12日間の萎縮で約50%増加しており、萎縮筋におけるNOの産生の増大が明らかとなった。現在この増加したNOSのタイプをWestern Blotting法を用いて同定している。 最後に、萎縮からの回復過程での酸化的ストレスについて報告する。回復筋では酸化型グルタチオンやTBA反応陽性物質が有意に増加しており、酸化的ストレスが増大していることが明らかとなった。さらに抗酸化剤であるビタミンEを投与したところ、この回復筋の萎縮度は有意に低下し、回復が促進された。すなわち回復過程に伴って生じる酸化的ストレスが筋の萎縮からの回復を妨げていることが示された。
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