研究課題/領域番号 |
06670432
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10124877)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 造船労働 / 歴史的コ-ホ-ト研究 / アスベスト / 職業癌 / 肺癌 / 石綿肺 / 死亡 |
研究概要 |
アスベスト曝露の人体影響を検討する目的で、神奈川県横須賀市内の某造船所で1947年の操業開始後から1971年末に到るまでの間に入社し、アスベスト曝露を伴うボイラー修理作業または断熱作業に6か月以上従事した男性労働者190名を対象とし、死因に関する歴史的コ-ホ-ト研究(Historical cohort study)を行った。このうち182名(95.8%)、即ちボイラー修理工120名中114名、断熱工69名中68名の消息が判明した。これらの者の就業開始年齢は平均34.9(SD10.2)歳、従事年数は平均14.1(SD10.3)年、1995年12月末現在の生存者は85名、死亡者は97名で、本人または遺族に対する面接調査で得られた148名の結果によれば、非喫煙者17.6%、前喫煙者37.2%、現在喫煙者45.2%であった。97名の死亡診断書上の原死因をICD10に従って分類し、国勢調査年における全国の日本人弾性の5歳年齢階級別死亡率と、暦年別5歳年齢階級別の観察人年とから死因別SMRを算出するとともに、それら信頼区間(CI)をポアソン分布により求めた。全死亡のうち悪性新生物による死亡が27名と全体の27.8%を占め、部位別には肺癌が10名と最も多かった。職種別にみると、ボイラー修理工の場合、観察人年は3918人年で、中皮腫(SMR=58.8[95%CI:3.0-338.6])、腹膜・後腹膜の癌(24.4[1.2-140.4])、虚血性・慢性リウマチ性以外の心疾患(2.2[1.1-4.2])、塵肺(65.2[17.8-191.5])の過剰死亡が、断熱工の場合、観察人年は2230人年で、肺癌(SMR=3.0[95%CI:1.2-7.1])と塵肺(38.5[2.0-221.4])の過剰死亡が認められた。これらの結果は、造船作業にともなう職業性のアスベスト曝露により、塵肺に加え肺癌、悪性中皮腫による過剰死亡が生じていること示すものである。
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