研究課題/領域番号 |
06670461
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
|
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
橋本 良明 高知医科大学, 医学部, 教授 (70135937)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 法医病理学 / 小脳 / 脳死 / 死後変化 / ミエリン塩基性タンパク(MBP) / グリア線維性酸性蛋白(GFAP) |
研究概要 |
非脳死者15例(死後経過時間3.5時間〜3日)および脳死者10例(カルテに基づく脳死状態継続期間1日〜10日;死後経過時間2.5時間〜1.5日)の小脳を検討した。 1.非脳死者小脳:HE染色では、死後約1日以上で染色性に軽度の低下を認めた。クリューバ-・バレラ(KB)染色、グリア線維性酸性プロテイン(GFAP)染色およびミエリン塩基性タンパク(MBP)染色ではほとんど良好であった。小脳皮質顆粒層の組織は密で、MBP染色およびKB染色においてもミエリン線維の網目状構築像は明瞭であった。プルキンエ細胞のニッスル小体も明瞭なものが多かった。GFAP染色では、GFAP陽性アストロサイトは死後経過1日以上で胞体突起が不明瞭で輪郭は鈍化したものが多く認められた。また、突起末梢部分も断裂し、顆粒状を呈するものが比較的多く認められた。 2.脳死者小脳:HE、KB、MBPおよびGFAPの各染色はいずれも染色性に低下傾向が認められた。脳死期間が長いほど染色性低下は著しく、特に脳死期間が6日以上ではMBP染色およびGFAP染色共にその染色性低下が顕著であった。皮質顆粒層はほぼ全例において細胞成分が減少し組織は粗で、脳死期間が6日以上ではよりいちじるしかった。MBP染色でも顆粒層のミエリン線維網目構築像は繊細で粗であり、脳死期間が6日以上ではほとんど認められなかった。プルキンエ細胞数の減少、胞体の鈍円化、核濃縮、ニッスル小体の消失がほぼ全例に認められた。GFAP染色では、脳死期間5日以内の例で、GFAP陽性の典型的な形状のアストロサイトも認められたが、一般にGFAP陽性細胞数は少なく、胞体の突起も消え鈍円化していた。突起末梢部の染色性も低下し、一部に断裂や顆粒状変化が認められたがその程度は軽度であった。脳死期間が6日以上では、一部の標本で毛細血管周囲にGFAP陽性所見を認めるのみで、GFAP陽性アストロサイトはほとんど認められなかった。
|