研究課題/領域番号 |
06670497
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
小出 純 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70178193)
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研究分担者 |
安倍 達 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60051207)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 滑膜細胞 / fibroblasodti cell-line / CD44分子 / ヒアルロン酸 / 変異型エクソン / RT-PCR法 / fibroblastoid cell-line |
研究概要 |
(1)慢性関節リウマチ(RA)および変形性骨関節症(OA)患者の滑膜組織から分離した、fibroblast様滑膜細胞株(Fb)の細胞表面抗原を比較検討したところ、CD44抗原のみが、RA由来のFb細胞においてOAに比し有意に発現量が亢進していた。 (2)かかるRAのFbの接着能は、OAのそれに比べ非常に強いことがわかり、しかもその接着現象にはCD44分子とヒアルロン酸(HA)関与が認められた。さらに、同時に樹立したRA滑膜由来のEBV感染B細胞株とFbとの強い接着現象において、異なる抗CD44抗体による抑制反応もみられ、細胞の種類によってCD44分子の調節機構や役割が異なっている可能性が示唆された。 (3)RAのFbにおいて、HAを前処理させることによりCD44抗原の一部がupregulateされたり、あるいは反対に、各抗CD44抗体(一部除く)で先に処理していることでHAとの結合が増強されたことから、CD44分るとHAとの間でautocrineなupregulationのメカニズムが働いていることが明らかとなった。 (4)増殖力の非常に強いRAのFbの少なくとも一部に、質的に異なるCD44分子、すなわち、変異型エクソン分子をもつ滑膜細胞が存在することが、RT-PCR法により判明し、今後、RAの異常増殖する滑膜細胞におけるCD44分子の質的異常を分子レベルで詳細に追研する必要があると考えられた。さらにCD44分子の特定の変異型エクソンに対するモノクローナル抗体を用いて、その細胞の増殖や浸潤を抑制できるデータも示されている。したがって、RAのFbに特定の、あるいは固有のアイソフォームのCD44分子が存在することが証明されれば、それに対するモノクローナル抗体を用い、かかるFbの機能および浸潤・増殖を抑制でき、RAの新しい分子免疫学的治療法の開発につながる可能性が期待できる。
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