研究課題/領域番号 |
06670515
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
下瀬川 徹 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90226275)
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研究分担者 |
小泉 勝 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (40111281)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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研究概要 |
急性出血性壊死性膵炎は多臓器不全(MOF)を併発する致死率の高い疾患であり、重症化機序の解明とMOF阻止は臨床上重要な課題である。私達は膵炎によって逸脱した活性膵酵素や各種cy-tokineが腹腔および肺胞Mφ、肝Kupffer細胞や腎mes angium細胞をprimingし、腸管からのbacterial translocationによる細菌性リポ多糖(LPS)がsecond attacker(trigger)として働き、これら細胞にiNOSを誘導すると考えてきた。本年度の研究目的は、iNOSの誘導・発現に関与する転写調節因子NF-κB活性化の制御機構を、軽症膵炎モデルと致死性膵炎モデルの腹腔および細胞Mφを用いて明かにすることであった。 研究実績】私達はヒトを含む各種動物の膵炎[Gas troentreol 1993]や肺[ARRD1994]にNO合成酵素(cNOS)が存在し、産生されたNOが膵炎で膵組織血流を増加し組織保護に働く可能性を示した[Pancrras1994]。浮腫性(軽症)膵炎モデルではNOS阻害剤は膵炎を悪化させた[J.Gastroenterol in press]。LPSによるiNOS誘導下で膵炎は増悪し、NOS阻害剤はこれを抑制した[Pan creas in press]。出血性壊死性(軽症)膵炎モデルでは膵炎誘導6時間後にNO産生が亢進し、腹腔炎症細胞にiNOSの発現が確認されたが、軽症膵炎モデルではNO産生亢進は認められなかった[膵臓1994]。重症膵炎モデルはinterferon-γ(IFE-γ)産生が高まり、続いて血中・腹水中でend otoxin(ETX)上昇が観察され、anti-IFN-γを用いた中和実験でNO産生は抑制された[日消誌1994]。Electrophoretic mobility shift as-say(EMSA)を用いた検討で、重症膵炎モデルでは腹腔炎症細胞や肺胞MφでiNOS遺伝子の転写促進因子NF-κBの活性化が生じていた[投稿準備中]。NF-κBを抑制するpyrrolidine dithiocarb amate(PDTC)やanti-IFN-γの前投与は重症膵炎モデル亢進をほぼ完全に抑制し、この膵炎の致死率を著名に改善した[投稿準備中]。
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