研究課題/領域番号 |
06670546
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笠原 彰紀 大阪大学, 医学部, 助手 (70214286)
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研究分担者 |
三田 英治 大阪大学, 医学部付属病院, 医員
片山 和宏 大阪大学, 医学部付属病院, 医員
佐々木 裕 大阪大学, 医学部, 助手 (70235282)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | C型肝炎 / 肝細胞癌 / Fas抗原 / Fas ligand / c-met / VPF / VEDF / C型慢性肝炎 / C-met / アポトーシス / C型慢性肝疾患 |
研究概要 |
C型慢肝疾患各病型において血中HCV RNA量、HCV genome subtypeを検討すると、どのsubtypeにおいてもcompetitive RT-PCR法にて測定した血中HCV RNA量は慢性持続性肝炎で慢性活動性肝炎、肝硬変、肝細胞癌に比し有意に低値であった。血中HCV RNA量は肝病変が肝硬変、肝細胞癌と進展しても高値のままで肝病変の進展にHCV増殖が密接に関与していることが明らかにされた。また、病変の進展した活動性の肝組織、肝細胞癌組織および非癌部肝組織においてin situ hybridization法にてHCV RNAが検出された。C型慢性肝疾患におけるapoptosisの役割を明らかにするために、Fas抗原およびHCV core抗原の発現動態を肝組織において検討すると、Fas抗原の発現はHCV core抗原陽性で活発な炎症所見の認められる症例のpiecemeal necrosis近傍にみられ、炎症所見の程度とFas抗原の発現の程度との間に有意の正の相関関係が認められた。他方、Fas ligandは肝組織浸潤単核球や末梢血単核球に発現が認められたが、肝細胞には発現が認められなかった。以上の結果は、Fas ligand-Fas抗原系がHCVの活発な増殖が継続する肝細胞の細胞障害に重要な役割を担い、肝病変の進展に密接に関与していることを示唆している。他方、Fas抗原、bc1-2の過剰発現は肝癌組織においては認められなかった。hepatocyte growth factorのreceptorであるc-metのmRNAまたは蛋白の過剰発現は非癌部肝組織においては認められなかったが、肝癌組織において認められ、肝癌組織が未分化の例でその発現が高率であったことより、c-metの過剰発現が発癌に関与している可能性が示唆された。さらに、VPF/VEDF mRNAの発現が肝癌細胞において認められ、その発現が肝癌の進展と密接に関与することを明らかにした。
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