研究課題/領域番号 |
06670557
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田妻 進 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80201614)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 胆汁酸 / 胆汁 / 脂質 / 毛細胆管膜 / ライポソーム / 肝内輸送 / 胆汁分泌 / リン脂質分子種 / 毛細胆管 / ヴェジクル / アシル鎖脂肪酸 |
研究概要 |
胆汁脂質の起源は主として肝小胞体と考えられている。血清から摂取された外因性脂質と肝小胞体において合成された脂質は肝内をヴェジクルとして輸送され、血液や胆汁中へ排泄されるが、胆汁脂質は何らかの機序に従って毛細胆管膜へ移動し、ある種の選択過程を経て胆管側へシフトし、胆汁中へ分泌されると推定される。胆汁脂質の物理化学的安定性は、脂質胆送体の構成リン脂質の疎水性強度に規定されるため、肝排泄機構におけるリン脂質分子種選択性を制御する因子は胆道における各種病態生理に関連することになる。本研究ではその制御機構の一端をリン脂質分子種の構造特性に着目して解明することを目的とした。天然および合成リン脂質人工膜ヴェジクルを用いた癒合現象の観察では、アシル鎖脂肪酸の飽和度が律速的意義を有することが判明し、肝毛細胆管膜と肝内ヴェジクルの癒合を制御する因子の一つとしてヴェジクルの構成リン脂質の疎水性強度が推定された。さらに、カルシウム沈殿法にて調製したラット肝毛細胆管膜ヴェジクルを用いて、ロダミン標識したフォスファチジルセリン・フォスファチジルコリン混合ライポソームをプローベとして、self-quenchingの解除から検出される蛍光強度の増強、video-enhanced differential contrast microscopyによる形態学的観察、laser scattering intensityによるサイズ検索から両者の凝集・融合態度を総合的に解析した結果、donorヴェジクルを構成するリン脂質のアシル鎖脂肪酸の不飽和度(逆相HPLCによって算出された疎水性強度)に比例して融合性が高まることが明らかとなった。以上、脂質に限定して進めた本研究では、肝内ヴェジクルの毛細胆管側への移動および膜への癒合は、構成するリン脂質のアシル鎖の物性に制御されることが示唆された。
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