研究課題/領域番号 |
06670578
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
福井 博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80145838)
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研究分担者 |
植村 正人 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90151836)
菊池 英亮 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50214747)
辻井 正 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30075064)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | エンドトキシン / アルブミン / HDL / アルコール / 急性肝不全 / TNF / トランスフェリン / TNF-α / IL-6 / G-CSF |
研究概要 |
臨床的研究:血中でEtと結合して不活性化にかかわる可能性がある物質としてはHDL、トランスフェリン、lipopolysaccharide binding proteinなどが報告されてきたが、アルブミン(Alb)のEt結合能やEt不活性化能は余り注目されていない。今回、AlbがかなりEt結合能を有すること、AlbにはEt不活性化能があることを証明した。また、末期肝硬変ではEt不活性化率の低下をみること、肝硬変では血漿Et不活性化率は血清HDL-コレステロール濃度およびAlbのEt結合予備能と正の相関、トランスフェリンのEt結合予備能と負の相関を示すことから、肝硬変では蛋白との結合が血中Etの不活性化にかかわっていることが示唆された。また末期肝硬変では血中IL-1β、IL-6、TNF-αの上昇を認めたが、これらの上昇例はAlbのEt結合予備能が低下しており、Albの低下に伴いEtの不活性化障害が起こり、サイトカインの上昇を招く可能性が考えられた。実験的研究:Kupffer細胞を種々の濃度のエタノール(EtOH)存在下に培養し、培養上清を肝細胞培養液に添加すると、肝細胞培養上清中蛋白のEt結合量がEtOH濃度依存性に増加した。さらに、この肝細胞培養上清はKupffer細胞のEt取込みを促進させる一方、TNF産生を抑制した。急性EtOH投与群ではコントロール群よりAlb、HDLに結合するEtが著増しており、慢性EtOH投与群ではHDL結合Etが増加する傾向にあったが、これにEtOHを過重投与しても、HDL結合Etはそれ以上増加しなかった。また今回、Albが抗Et作用を示すこと、AlbとHDLは共にKupffer細胞のEt取り込みとTNF産生を抑制することを明らかにした。これらの成績はAlbとHDLがEt結合蛋白として働き、Et毒性を緩和させる方向に働くことを示唆している。
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