研究課題/領域番号 |
06670583
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
滝川 一 帝京大学, 医学部, 助教授 (70197226)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 有機陰イオン / 胆汁酸 / sulfobromophthalein / リトコール酸サルフェート / 高ビリルビン血症 / 胆汁中排泄 / 肝サイトゾール蛋白 / ウルソデオキシコール酸ジサルフェート |
研究概要 |
SD系ラット(SDR)のmutantで高ビリルビン血症を示すEHBRでは有機陰イオンや胆汁酸サルフェート、グルクロナイドの排泄障害がみられる。EHBRでリトコール酸サルフェート(LCS)の胆汁中排泄が遅延しながらも行われるが、この排泄機序の検討をEHBRとSDRを用いてin vivoで行った。まず、代表的胆汁酸であるタウロコール酸の持続投与、vesicular transport阻害剤であるコルヒチンによりEHBRでのLCS排泄は阻害されなかったことから、LCSの排泄が胆汁酸排泄経路やvesicular transportによらないことが確認された。有機陰イオンであるsulfobromophthalein(BSP)およびdibromosulfophthalein(DBSP)の持続投与はともにSDRでのLCS排泄を阻害したが、EHBRではDBSPのみがLCS排泄を阻害した。また、indocyanine green持続投与はEHBRでおいてのみLCS排泄を軽度阻害した。プラバスタチン持続投与はSDR、EHBRともにLCS排泄に影響を与えなかった。ウルソデオキコール酸ジサルフェート(UDCdiS)持続投与は、EHBRでのLCS排泄を逆に促進した。平衡透析法で検討したLCSのラットアルブミンおよび肝サイトゾール蛋白への結合をUDCdiSが濃度依存性に阻害したことから、LCSの輸送過程におけるこれらの蛋白に対する結合阻害によりUDCdiSがLCS排泄を促進した可能性もあるが、SDRではLCS排泄にUDCdiSが影響を与えなかったことから、この排泄促進機序についてはさらなる検討が必要である。以上の結果から、生理的な重要性は不明であるが、毛細胆管膜にはEHBRで遺伝的に異常のあると考えられるATP依存性の有機陰イオン排泄キャリアーによる排泄経路のほかに、少なくとも2つ以上の有機陰イオン排泄経路が存在し、1つはLCSとDBSPに共通で、もう一つはBSP排泄に関与するものと推定される。
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