研究課題/領域番号 |
06670593
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
豊永 純 久留米大学, 医学部, 教授 (00098881)
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研究分担者 |
於保 和彦 久留米大学, 医学部, 助手 (80248369)
池上 素樹 久留米大学, 医学部, 助手 (70248368)
角野 通弘 (角野 道弘) 久留米大学, 医学部, 助手 (30196919)
岩尾 忠 久留米大学, 医学部, 助手 (10193715)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 門脈圧亢進症 / バソプレシッシン / 亜硝酸剤 / 門脈高圧性胃症 / プロプラノロール / ガストリン / Isosorbide Dinitrate / テプレニールアセトン / バソプレッシン / Portal hypertensive gastropathy(PHG) / レーザードップラー法 |
研究概要 |
肝硬変症患者の胃粘膜障害に対する治療法の確立を目的に種々の検討を行った。背景に肝硬変症に起因する門脈圧亢進症が存在し更に門脈圧の亢進が主因で発生するPortal hypertensive gastropathy(PHG)が存在している。従って門脈血行動態の検討ぬきには進められず、胃粘膜血行動態および門脈血行動態の2面から追及した。主原因は門脈圧亢進症であるが病変発症の現場は胃粘膜であり肝-胃相関における胃粘膜局所の治療も不可欠と考えられた。第1義的治療は門脈圧を低下させることにある。 1.門脈血行動態:門脈圧が高くてもPHG(-)例も存在し、いわゆる大きな(短絡率の高い)Collateral escape (major shunt)があるとPHG軽度が多かった。硬化療法後Major shunt(+)群でPHG増悪(-)はこれを支持している。 2.Vasopresainは門脈圧を有意に低下させるが、肝障害(intrinsic clearanceの低下)を誘発する。Nicardipineはこのデメリットを改善する。しかし、VasopressinとNicardipineを同時投与しても門脈圧はVasopressin投与時以上には低下しない。 3.Nitroglycerinは門脈圧を低下させるがMajor shuntの存在例で有意に低下する。同時に胃粘膜血液量も低下させPHGの本態であるgastric mucosal congestionをも改善させる。平均動脈血圧も低下したが、major shunt(-)群と有意差なくNitroglycerinの薬効であることが確認された。 4.第2義的に胃局所におけるPHG治療薬としてTeprenylacetonとCetrax ateを検討した。 (1)Teprenylacetonは門脈圧亢進症を伴う肝硬変患者の胃粘膜において有意に粘液分泌を増加させることが出来た。(2)Laser Doppler Flowmetryによる計測においてCetraxateは門脈圧亢進症を有する肝硬変患者の幽門部及び胃体部の胃粘膜血流を有意に増加させた。将来的には門脈圧降下剤と胃局所投与剤のCombination therapyが検討されねばならない。
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