研究概要 |
1.小腸CCK-RPは現在、精製法を改良しながら、続行中である。 2.膵由来CCK-RP(PSTI-61)とCCKとの相互関係は、膵管を結紮して血中CCKを増加させると、血中CCKは一貫して高値を示したが、CCKmRNAは漸増し、10日目に最大となって、28日目に基礎値に復した。PSTI-61mRNAは3日目に最大となり、以後低下した。一方CCK-A receptor mRNAは結紮後漸減し、7日目に最低となり、以後膵線房細胞の再生に伴って増加した。また膵液胆汁除去により血中CCK、CCKmRNA、PSTI-61mRNAが増加し、DDK拮抗剤の投与により、PSTI-61mRNAは減少したが、正常値よりは依然として高値を呈し、またCCK-analogueの投与によるPSTI-61mRNAの増加は、膵液胆汁による増加に、はるかに及ばなかった。よってCCK-RPmRNAの増減には血中CCK以外に他の要素が存在することが想像された。 膵液胆汁外瘻作製のための手術操作により、膵は物理的に障害をうける。鋭敏に膵障害を反映するpancreatitis associated protein(PAP)mRNAの発現が消失する時期を確認してから、実験をおこなった。その結果、膵液胆汁の除外後1,2,4,24時間目の血中CCK,CCKおよびsecretin mRNAはいずれも上昇するが、PSTI-61mRNAは変動しなかった。つまり、PSTI-61mRNAの上昇は、膵障害を表すひとつの指標になる。 3.CCKmRNA,CCK-A,B receptor mRNAレベルは、雄ラットでは、老齢群で低下したが、雌では変化しなかった。脳、小腸におけるCCK-A,B receporとCCK mRNAとの間には一定の相互関係はみられなかった。 4.Afferent nerveを破壊した(覚醒)ラットを用いて、CCKの膵外分泌への効果を検討したが、むしろefferent nerveの関与の方が大きいと言う結果がえられた。脳室内ソマトスタチンは交感神経系を介して膵外分泌を抑制していた。
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