研究課題/領域番号 |
06670603
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
加藤 邦彦 千葉大学, 医学部, 助手 (00204462)
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研究分担者 |
岡田 修 千葉大学, 医学部, 助手 (60177045)
栗山 喬之 千葉大学, 医学部, 教授 (20009723)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 肺微小循環 / 生体顕微鏡 / 摘出分離灌流肺 / 肺毛細血管 / 肺循環 / 白血球 / 好中球 / 摘出分離潅流肺 |
研究概要 |
本研究の主たる目的は、肺微小循環レベルにおける好中球の動態を客観的に数値化して評価することにより、好中球の肺循環での停滞を調節する機序の解明を目指すものである。ARDSに代表される急性肺傷害においては、肺へ集積した好中球が肺血管内皮傷害の中心的役割を果たしているものと一般に理解されている。従って、こうした急性肺傷害の病態の解明および適切な治療法の確立には、肺循環における好中球の動態の把握が不可欠といえる。初年度の研究成績から、生理学的条件下において好中球が停滞を起こす部位は、肺小動脈や肺小静脈ではなく毛細血管レベルがほとんどであることが観察された。そこで、最終年度には毛細血管レベルにのみ焦点をあて、好中球の動態を生体顕微鏡下に観察を行った。その結果、好中球の停滞部位は、そのほとんどが毛細血管の分岐部であり、好中球が変形を起こし移動再開後には、分岐部間の毛細血管セグメントに再度停滞をおこすことはなく、多くは観察視野内の毛細血管網を通過していった。このことから、生理学的条件下での好中球の停滞は、好中球の直径と毛細血管、特に分岐部より下流側の毛細血管内径との関係といった物理学的要因により主として規定されている可能性が強く示唆された。これまで好中球の停滞ないしは接着に関しては、各種接着因子の関与が指摘されており、実際に各種病態モデルにおいても接着因子の関与が証明されてきている。今回の成績はあくまでも生理学的条件下での好中球の停滞の機序を示すものであり、各種病態においては物理学的要因以外にも接着因子の関与も十分考えられ今後の検討課題と思われた。また、好中球の停滞により赤血球の毛細血管レベルでの流れも変化することから、好中球の停滞が毛細血管レベルでの血流分布を調節し、肺胞表面に比較的均一に血液が流れるように調節している可能性も考えられ、今後の研究課題としても興味あるテーマと思われた。
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