研究課題/領域番号 |
06670610
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長井 苑子 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (30217955)
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研究分担者 |
佐竹 範夫 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (50252515)
北市 正則 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (00161464)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | サルコイドーシス / TCR(T細胞抗原受容体) / HLAタイピング / 日本人 / スウェーデン人 / フローサイトメトリー / モノクローナル抗体パネル / TCR V遺伝子発現 / スウエーデン人 / TCRVβ22、CD8陽性T細胞 / HLAB61(40) |
研究概要 |
日本人サイコルドーシス症例について、T細胞抗原容体(TCR)の発現に一定の制限が認められるかどうかを、16例の未治療症例と、32人の健常人を対象に検討した。気管支肺胞洗浄液(BAKF)と末梢血からT細胞を分離し、16種類のTCRに対するモノクローナル抗体と抗CD3、4、8抗体を用いて、フローサイトメトリーによる表面抗原の3色解析をおこなった。同時に、末梢血リンパ球を用いて、complement dependent microytotoxicity testによるHLAクラスI(A、B、C)、II (DR、DQ)のタイピングを施行した。 結果として、特定のTCRV遺伝子の各サブセットの10%以上の発現の増加は、CD4陽性T細胞よりも、CD8陽性T細胞に多く認められた。患者群でのγδTCRの発現は、末梢血T細胞においてBALFT細胞よりも有意に多く検出された。加えて、末梢血T細胞におけるγδT細胞発現はサルコイドーシス症例では健常人より有意に増加していた。TCRV遺伝子発現のうち、特別なサブセットの発現増加はなかったが、HLAタイピングとの関連で検討すると、HLAB61(40)陽性を示した4例の症例のうち3例がBALFのVβ22、CD8陽性T細胞の増加を示した。しかし、スウェーデン人症例で報告されているVα2.3とHLADR3の相関は、日本人症例では見られなかった。健常人におけるTCR発現、HLA相関についての人種差は認められなかった。 このような検討から、同じ疾患でも人種の差によってTCRレパートアの発現に差異があることが確認され、病態発生に関与する原因抗原ペプチドの多様性を示唆している可能性がある。今後、臨床経過で一部の発現の増加がどのように変化するかしないか検討を重ねる予定である。
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