研究課題/領域番号 |
06670627
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
冨田 友幸 北里大学, 医学部, 教授 (40050439)
|
研究分担者 |
三藤 久 北里大学, 医学部, 助手 (40260856)
泉 靖弘 北里大学, 医学部, 助手 (10255284)
久保田 勝 北里大学, 医学部, 助手 (00234500)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 肺循環 / 一酸化窒素 / 低酸素性肺血管収縮 / ウサギ / 酸素化能 / 濃度・反応関係 / 換気-血流比 / 拡散-血流比 |
研究概要 |
近年、一酸化窒素ガス(NO)の吸入療法が肺高血圧症や重症の呼吸不全をきたす呼吸器疾患に対して行われている。しかし、その濃度・反応関係について詳しく検討した報告はわずかである。 今回、ウサギを用いて低酸素負荷中に異なる1〜80ppmの濃度のNOを吸入させる実験を行った。肺動脈圧に関しては、NOの濃度が高ければ高いほど弛緩する肺血管の範囲が増大するために濃度・反応関係が単調増加関数であり、肺動脈圧は吸入NO濃度依存性に低下することが解かった。 酸素化能に関しては、NO吸入前の肺胞気・動脈血酸素分圧較差(AaD02)の相違により、吸入NO濃度20ppmで最もPa02の改善が良くなる群と良くならない群があることが解かった。AaD02の大きな肺ではNO吸入によるPa02の改善効果がみられ、さらにNO吸入濃度が高くなるとPa02の改善が少なくなり、一方もともとAaD02の少ない肺ではNO吸入によってもPa02の改善効果が少なかった。AaD02は恒常状態で1)換気一血流比(VA/Q)の不均等分布,2)シャント,3)拡散能(D)の低下で生じると考えられているが、低酸素状態では相対的にDの影響が強くでてくると考えられ、また拡散一血流比(D/Q)の不均等分布のAaD02に対する影響も低酸素状態で強くなると考えられるため、低酸素状態での低濃度NO吸入によるPa02への改善効果についてはVA/Qの不均等分布のみではなく、D/Qの不均等分布の改善についても考慮する必要があることが解かった。 この実験結果よりNO吸入療法を疾患肺に対して適応し、酸素化能の改善を主目的とする際は、D/QとVA/Qの分布の疾患差により症例ごとで至適NO濃度が異なる可能性があり、NO吸入を臨床応用する際にはNO吸入濃度・反応関係を把握し、至適NO濃度を決定する必要があると考えられた。
|