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運動ニューロン疾患におけるモーター蛋白質異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06670638
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 神経内科学
研究機関秋田大学

研究代表者

豊島 至  秋田大学, 医学部, 講師 (80108951)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード運動ニューロン疾患 / モーター蛋白質 / 筋萎縮性側索硬化症 / モーター蛋白質受容体 / ニューロフェラメント蛋白質 / キネシン / 細胞質ダイニン / キネクチン
研究概要

運動ニューロン疾患では、近位軸索内に生ずるスフェロイドが軸索内輸送障害を示す所見として注目されてきた。報告者はこれまで、遅い軸索内輸送に加え、速い軸索内輸送障害を示す所見を報告してきた。今回は、速い軸索内輸送のうち逆行性輸送に関係するモーター蛋白質の細胞質ダイニンに対するモノクローナル抗体を5個作成し、運動ニューロン疾患脊髄を染色した。その結果、細胞質ダイニンがスフェロイド内に蓄積していることが明らかになった。先に報告した順行性輸送モーター蛋白質のキネシンのスフェロイド内の蓄積と考えあわせると、これは、速い軸索内輸送障害の全般的な障害を示していて、報告者の知見が初めてである。報告者は凍結乾燥切片を用いた定量的イムノブロット法を開発し、モーター蛋白質の定量に用い、運動ニューロン疾患脊髄におけるキネシンと細胞質ダイニンの低下を見出した。今回は、新しいシリーズのサンプルを用いて、ニューロフィラメント蛋白質の定量的イムノブロットを確立し比較した。モーター蛋白質とニューロフィラメント蛋白質の減少は同程度と思われた。このことは、運動ニューロン疾患脊髄において軸索内輸送は、全般的な障害を受けることを意味していると考えられる。この機序を探るため、細胞培養系によるビデオ増強顕微鏡法を用いての膜小器官の動態の検討も開始したが、ミクロインジェクターの設置に手間取ったためまだ明確な結果を得ていない。初期の計画に従い試行中である。
また、新しいシリーズのサンプルを用いてモーター蛋白質受容体の異常の解析を開始した。報告者はこれまで、キネシンの受容体が蛋白質で、分子量160kDaであること見出し、キネクチンと命名し、モノクローナル抗体を作成しているが、今回はこれをもちいて免疫染色した。正常神経組織におけるキネクチンの分布がこれまで十分に明らかではなかったが、細胞体に斑状に存在し軸索には見られないことが明らかになった。このことは、キネシン受容体が多様であることを意味している。運動ニューロン疾患脊髄では、一部のニューロンでの著明な減少が見られ、運動ニューロンの障害が一様でないことの反映と考えられた。今後はmRNAレベルでの検討を行い、モーター蛋白質のスフェロイド内の蓄積との関連について検討したい。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 豊島 至他3名: "運動ニューロン疾患脊髄における細胞質ダイニンの変動" 神経化学. 33. 472-473 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 豊島 至: "神経軸索における小胞輸送" 実験医学. 12. 1965-1970 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 豊島 至: "筋萎縮性側索硬化症と軸索内輸送" 医学のあゆみ. 168. 131-135 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] I.Toyoshima他1名: "Phosphorylation and transport of neurofilament proteins in the rat spinal ganglion" Neurosci Lett.(印刷中).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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