研究課題/領域番号 |
06670661
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
樋口 逸郎 鹿児島大学, 医学部, 講師 (80183573)
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研究分担者 |
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30143811)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | PCR / in-situ hybridzation / 多発性筋炎 / HTLV-I / レトロウイルス |
研究概要 |
我々はPCR in-situ hybridizationの方法を用いてHTLV-Iが直接筋線維に感染し障害を及ぼすのか、浸潤細胞のみに局在し主として免疫学的な機序を介して筋炎を起こすのかを明らかにするための検索を行った。対象をHTLV-I陽性多発性筋炎5例、HTLV-I陰性多発性筋炎5例の各生検筋、及び ATL 3例の剖検筋とし、陽性対照としてATL患者のリンパ節とHTLV-I感染培養細胞であるMT-2細胞を用いた。使用する溶液作成にはオートクレーブ滅菌したDEPC水を用い、ガラス器具とスライドグラスは煮沸消毒後乾熱滅菌を行った。組織の脱落防止のためスライドグラスにはsilane処理を行った。非特異的結合が極めて少ないとされるhot start PCRを行った。primerはHTLV-I taxの領域を増幅可能な20塩基程度のものを使用し、multiple primer法を用いた。洗浄、後固定、グリシン処理の後95%formamideの溶液中で切片上で増幅されたDNAのdenatureを行い、洗浄、脱水、風乾の後にin-situ hybridizationを行った。probeにはHTLV-Iに特異的なtax領域の40塩基のオリゴヌクレオチドを用いた。 その結果HTLV-IのprovirusがHTLV-I陽性多発性筋炎5例中3例において筋組織内の浸潤細胞に検出された。筋線維内には検出されなかった。HTLV-I陰性多発性筋炎にはprovirusは検出されなかった。これらのことからHTLV-I感染に伴う筋炎はウイルスの直接の作用による機序ではなく免疫学的機序を介して発症するものと考えられた。今後浸潤細胞の表面マーカーに対する免疫組織化学的染色結果と比較検討し、主要な感染細胞の種類を明らかにし、より詳細な発症機序を明らかにする必要がある。
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