研究課題/領域番号 |
06670669
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
清水 夏繪 帝京大学, 医学部, 教授 (80095017)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 脳の可塑性 / 運動想起 / 片麻痺 / 運動準備電位 / 脳皮質電位 / 随意運動 / 脳皮質運動 / imaginary movement |
研究概要 |
運動準備電位は、随意運動に際して運動開始前約2秒からはじまる緩徐な陰性電位と、運動開始前0.4秒〜0.5秒からはじまる急峻な陰性電位からなる。前者は両側補足運動野に由来し、後者は運動に対応する一次運動時に由来する。これらの電位は受動運動では出現せず、運動の随意性、準備状態、プログラミングに関与すると考えられている。 本研究では、音を合図に、運動を想起した場合と、実際の運動を行った場合とで音をトリガーに脳波を加算平均した。その結果、音より前に運動準備電位とよく似た陰性電位が、脳の広い範囲で得られ、この電位は運動想起と実際の運動とで差がなかった。以上より運動想起によっても随意運動の際と同じような運動準備電位が脳内に生ずることが示唆された。 また、単発性、単巣性の脳血管障害により片麻痺を来した患者の急性期、ないしは亜急性期の運動準備電位は、13名中5名で、麻痺手指の運動時の方が、正常手指の運動時よりも振幅が大きく、麻痺手指の運動時には、13名中6名で、麻痺手指と同側の半球で、反対側の半球におけるよりも振幅が大きかった。以上の結果は、麻痺手指の運動時により脳が活性化され、麻痺と同側の脳が活性化されることがしばしばあることを示したものであり、成人の脳にも可塑性の存在することを示唆していると思われた。
|