研究課題/領域番号 |
06670673
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
太田 宏平 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00152132)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ギランバレー症候群 / 急性炎症性脱髄性多発神経炎 / 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 / 自己反応性T細胞 / P0蛋白 / P2蛋白 / 抗ガングリオシド抗体 / MHC classII陽性T細胞 |
研究概要 |
我々は脱髄性多発神経炎の病態の解明するために、抗神経抗体とこれまで報告のほとんどなかったヒトにおける末梢ミエリン抗原に反応するT細胞について検討した。末梢神経ミエリン糖脂質に対する抗体は急性炎症性脱髄性多発神経炎(AIDP)27例中19例(70%)で抗糖脂質抗体が検出されたが、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)8例と筋萎縮性側索硬化症(ALS)15例では陽性例はなかった。抗糖脂質抗体はAIDPで特異性が高く自己免疫学的機序の存在が強く考えられた。次に炎症性脱髄性多発神経炎の細胞性免疫能の解明のため、抗体産生やEANを惹起しうるP0 56-71、P0 180-199、P2 59-78の合成ペプチドを抗原としてヒト末梢血から末梢ミエリン抗原特異的T細胞株の確立を試みた。コントロール5例ではこれらの抗原に対するT細胞の頻度はそれぞれ0.59±0.81、1.53±0.53、0.11±0.24x10^<-7>であった。しかし、これらの頻度と特定のMHC間には有意な相関はみとめなかった。炎症性脱髄性多発神経炎5例(AIDP急性期1例、慢性期3例、CIDP 1例)について同様の検討を実施したが、AIDP急性期例ではP0 180-199特異的T細胞の頻度は3.5x10^<-7>とコントロールの約2倍の高値を示した。一方、慢性期例ではP0 180-199特異的T細胞の頻度はコントロールと同程度であった。CIDP例ではP0 56-71、P0 180-199、P2 59-78の各抗原ペプチドに対する頻度はそれぞれ1.5、1.0、0.5x10^<-7>とP0 56-71に対してやや頻度が高かった。このように末梢ミエリン抗原特異的T細胞はヒトにおいてもみとめられ、特にP0 180-199に対するT細胞株は各対象から得られ、ヒトにおいてもT細胞抗原特異部位の一つである可能性が示唆された。今後、さらに各疾患における検討が必要であると考えられた。
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