研究課題/領域番号 |
06670710
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伊藤 正明 (伊籐 正明) 三重大学, 医学部, 助手 (00223181)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヒト心筋 / ヒト大動脈 / ヒト血小板 / ヒト腎 / 環状ヌクレオチドホスホジステラーゼ / アイソザイム / 強心薬 / 血管弛緩薬 / 環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ / 血管弛緩 / 血小板凝集 / 強心剤 / 環状ヌクレオチド |
研究概要 |
【目的】環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)は、cAMPやcGMPの分解酵素として重要な機能を有し最低5種類のアイソザイムよりなると考えられている。そこで未だ不明なヒト心筋・大動脈・血小板PDEアイソザイムの性状および細胞内局在ならびに強心剤・血管弛緩薬として臨床応用が検討されている薬剤のこれらPDEアイソザイムに対する効果を検討した。【結果】1.(1)心筋には、細胞質分画にPDE1、PDE2、PDE3およびPDE4の4種が認められた。膜分画にはPDE3が大半を占めていたが、PDEおよびPDE4の亜型と考えられる新たなPDEアイソザイムの存在も認められた。(2)NSP-805をはじめとする強心作用を有する薬剤はPDE3の阻害在であった。また、NSP-805などのピリダジノン系薬剤は、非ピリダジノン系薬剤に比してPDE3により高い選択性を有していた。2.(1)ヒト大動脈には、細胞質分画にPDE1、PDE2、PDE3、PDE4及びPDE5の5種が認められたが膜分画にはPDE活性は認められなかった。ヒト血小板には、PDE2、PDE3、PDE5の3種のアイソザイムが存在していた。(2)新しい血管弛緩薬E4021は、ヒトPDE5の強力かつ選択的阻害剤であり、PGF_<2α>によるヒト肺動脈の収縮を濃度依存性に阻害し、またTXA_2のよる血小板凝集をSIN-1との併用で阻害した。【結語ならびに考察】ヒト心筋においてPDE3以外にPDE4およびこの亜型の新しいアイソザイムの存在が明らかとなった。ヒト大動脈ならびに血小板には、心筋と比較して、PDE5が多く発現されていることが特徴であった。PDE3阻害剤の強心薬にもアイソザイム選択制の異なるタイプがあり、急性および慢性心不全に対する治療効果の相違など今後臨床レベルでの検討が必要と考えられた。また、PDE5阻害剤は、血管拡張剤ならびに血小板凝集抑制剤として臨床応用の可能性があると考えられた。
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