研究課題/領域番号 |
06670796
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
神崎 晋 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (90224873)
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研究分担者 |
辻 一城 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
横山 裕司 岡山大学, 医学部・付属病院, 助手 (00240226)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 発達障害 / 脆弱X症候群 / FMR-1 / 3塩基反復配列 / 遺伝子発現 / PCR法 / FMR-1遺伝子 / 精神遅滞 |
研究概要 |
FMR-1遺伝子は脆弱X症候群患者より単離されたが、ヒトの認知において重要な役割を果たす遺伝子であると考えられている。本遺伝子の異常はその差違により異なった表現型をきたす。そこで、本遺伝子の異常が脆弱X症候群のみならず他の小児の発達障害の原因となり得るかどうかを分子遺伝学的に検討した。発達障害を示す小児(精神遅滞者60例、行動異常者59例、自閉症障害者15例、学習障害者16例)で、(1)FMR-1遺伝子の5-UTRにあるCGG反復配列の延長およびその上流のCpG領域のメチル化をサザンブロット解析した。さらに、(2) CGG反復配列の延長を簡便に診断するPCR法の開発を試み、(3)平成6年度に報告した脆弱X症候群家系の7例の患者あるいは保因者のリンパ芽球様細胞より抽出したRNAからRT-PCR法でFMR-1遺伝子第8エクソンの発現を検討し、および(4)第8エクソンのSSCP法による解析を開始した。サザンブロット解析で、精神遅滞者60例中2例に、自閉性障害15例中1例にCGG反復配列の延長が認められたが、行動異常者および学習障害者に延長を認めなかった。CGG反復配列をエチヂウムブロマイドで検出するPCR法では、反復数が約50以下のCGG配列領域の対立遺伝子を容易に増幅できたが、延長した対立遺伝子を増幅できず、容易に正常例と延長例とを区別することが可能であった。第8エクソンの発現の研究で、男女とも患者では発現がないが、前突然変異の保因者ではコントロールと同様の発現が認められた。FMR-1遺伝子のCCG反復配列の延長は行動異常や学習障害の原因となっている可能性は少ないと思われるが、一般的に小児の発達障害ではFMR-1遺伝子の部位欠失や点突然変異の検討を進める必要があると考えられた。
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