研究概要 |
1.本研究の主旨を両親に説明し、同意を得た後、試料を収集した。低出生体重児とくにSFD児の試料7例を収集し、臍帯血の一部を培養し、染色体標本を作成した。残りの臍帯血からDNAを採取した。また同時に両親の血液を採取し染色体標本作成、DNA採取を行なった。SFD児のうち外表奇形および多発小奇形を認めたものはなかった。染色体分析では児・両親ともに核型異常を認めた例はなかった。 2. SFD児についてヒト1-22番、X、Y染色体に特有でかつ高頻度の多型を示す反復DNA配列のオリゴヌクレチドを購入し,オリゴヌクレチドをプライマーとして、臍帯血、父、母由来のDNAを鋳型としてPCRを行ない、SFD児について片親ダイソミ-の有無を検討したが,7例全例で片親ダイソミ-を認めなかった。 3.自然流産胎児標本12例を収集し、両親の採血を行ない染色体異常および片親ダイソミ-の有無を検討した。自然流産胎児で12例中1例に染色体異常46, XX, -4, +der (4), t (4 : 7) (q35 : p13)を認め,これは父親の近衡型転座46, XY, t (4 : 7) (q35 : p13)に由来していた。一方,片親ダイソミ-は全例で認めなかった。
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