研究課題/領域番号 |
06670826
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 清二 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80146638)
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研究分担者 |
上牧 務 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50224671)
奥山 虎之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40177192)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 炭酸脱水酵素II型 / 炭酸脱水酵素IV型 / 尿細管性アシドーシス / 遺伝子解析 / 近位尿細管性アシドーシス / 炭酸脱水酵素 |
研究概要 |
炭酸脱水酵素IV型は近位尿細管におけるHCO_3^-の再吸収に主要な役割を演じている。近位尿細管性アシドーシスを呈する疾患のいくつかは、炭酸脱水酵素IV型の異常が原因である可能性がある。今回、我々は持続性、純型近位尿細管性アシドーシス患者の炭酸脱水酵素を検討した。 患者の尿細管上皮細胞における炭酸脱水酵素の発現動態を、尿試料(膜分画と可溶性分画)中の炭酸脱水酵素II型、IV型の酵素活性測定と蛋白検出を行い検討した。患者尿試料の膜分画では、炭酸脱水酵素II型の発現は正常であった。IV型は、正常対照と同位置に検出されたがバンド強度は弱く、酵素活性でも減少していた。可溶性分画中のIV型は著しく増加していた。以上の結果は、検討した患者では、合成された炭酸脱水酵素IV型が尿細管上皮細胞膜(brush border)にanchoringせずに尿中に大量に排泄され、brush borderでの発現が減少していることを示唆した。同時に検討した膜分画中のアルカリホスファターゼ(炭酸脱水酵素と同様にglycosyl-phosphatidylinositolを介して膜にacchoringする)が正常であったので、患者では炭酸脱水酵素IV型の、特にC末端領域の微細な変異が推測された。 患者の遺伝子解析を行った。炭酸脱水酵素IV型遺伝子の7つのエキソンを、周囲のイントロン塩基配列からプライマーを選定しPCR法で増幅した。増幅したフラグメントをpBSKS(+)にサブクローニングし、各PCRプライマーをシークエンスプライマーとして塩基配列を解読した。全てのイントロン-エキソン領域およびエキソンで変異は認められなかった。 今回検討した患者では炭酸脱水酵素IV型は正常である可能性が高いと結論した。原因解明のためには、更なる検討が必要である。
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