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表皮細胞の分化と増殖および表皮基底膜の生成に及ぼす真皮成分の影響〜表皮真皮間相互作用についての研究〜

研究課題

研究課題/領域番号 06670851
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 皮膚科学
研究機関山形大学

研究代表者

三橋 善比古  山形大学, 医学部, 助教授 (30157557)

研究分担者 西田 徹  山形大学, 医学部, 助手 (10260457)
橋本 秀樹  山形大学, 医学部, 助手 (40218417)
研究期間 (年度) 1994 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード係留線維 / VII型コラーゲン / 基底膜 / 表皮細胞 / 線維芽細胞 / 色素細胞 / IL-6 / コ-ニファイドエンベロップ / 保留線維 / 細胞培養 / 表皮基底膜 / 表皮真皮間相互作用
研究概要

これまでの研究で,線維芽細胞は表皮細胞のコ-ニファイドエンベロップ合成を促進することを明らかにした。その機序を知るために,培養モデルの細胞組成をいくつか組み合わせ培養中のサイトカインを測定した。その結果,表皮細胞と線維芽細胞を同時に培養すると,それぞれを単独で培養したときに比べてIL-6が著増し,TGFαは逆に低下することを見い出した。このIL-6が,表皮細胞あるいは線維芽細胞のどちらに由来するかを調べるために培養上清液交換実験を行ったところ,IL-6は線維芽細胞が産生し,表皮細胞は線維芽細胞のIL-6産生を促進する物質を分泌していることが明らかになった。次に,IL-6が表皮のコ-ニファイドエンベロップ形成に影響するか否かを検討した。その結果,IL-6は20ngまで濃度依存的に表皮細胞のコ-ニファイドエンベロップ形成を促進した。この線維芽細胞のIL-6産生は,mRNAの発現増加を伴っていた。以上の結果から,線維芽細胞が表皮細胞の分化と増殖に影響を与える機序としてIL-6が深く関与しているものと考えた。
表皮基底膜成分の生成に及ぼす真皮成分の影響の研究では,まず再結合皮膚を用いた器官培養実験をおこなった。すなわち,健常皮膚をデスパーゼを用いて皮膚と真皮に分離し,真皮側を反転して再結合させる。この処置によって,表皮基底膜部を欠いた皮膚を作成できる。このとき,真皮側を凍結・融解して不活性化し,この処理を行わない真皮を用いたときと比較した。その結果,不活性化真皮を用いた時は,培養16日目においてVII型コラーゲンはごく軽度の沈着がみられ,anchoring fibrilは形成されていないのに対し,処置を加えなかった真皮を用いたときはVII型コラーゲンは線状の明らかな沈着を示し,anchoring fibrilも形成されていた。この結果から、VII型コラーゲンの沈着とanchoring fibrilの形成に真皮成分が影響していることが示されたが,その由来を決定することは出来なかった。
次に,表皮基底膜部に存在する2つの異なる細胞,すなわち基底細胞と色素細胞に注目して検索した。その結果,電顕的にanchoring fibrilは基底細胞下面に認められ,色素細胞下面には認められないことを見い出した。また,免疫電顕で検索した結果,VII型コラーゲンは基底細胞下面にanchoring fibrilに一致して陽性を示したが,色素細胞下面では痕跡程度であった。色素細胞下面の陽性所見は,無構造で線維を形成していない小顆粒状物質とともに認められた。これらのことから,VII型コラーゲンは主として表皮基底細胞由来であり,色素細胞下面の観察からVII型コラーゲンが存在しても常にanchoring fibrilを形成するとは限らないことが示された。

報告書

(3件)
  • 1995 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 三橋善比古: "表皮と真皮のcross talk" 皮膚病診療. 18. 12-17 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Mitsuhashi, Y: "Croos talk betwen the Epidermis and dermis" Hifu-Byo sinryo. 18. 12-17 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 三橋 善比古: "表皮と真皮のcross talk" 皮膚病診療. 18. 12-17 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Mitsuhashi,Y.,Hashimoto,I.: "Electron Microscopy in Dermutelogy" Ishibashi,Y.,Nakagawa,H.and Suzuki,H., 471 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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