研究課題/領域番号 |
06670891
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
上田 良昭 国立予防衛生研究所, ウイルス第二部, 室長 (20100068)
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研究分担者 |
森川 茂 国立予防衛生研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (00167686)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 伝染性軟疣ウイルス / クローニング |
研究概要 |
ヒトの伝染性軟疣(水イボ)はボックスウイルスの一種であるmolluscum contagiosum(MCV)によって皮膚に生ずる良性の腫瘍である。今回、伝染性軟疣のイボから材料を集め庶糖勾配法によって精製、分離することによってMCVを得た。MCVは試験館内での増殖に成功していない、最近確立された正常ヒト表皮角化細胞(Keratinocyte cell)に精製粒子の接種を試みた。その結果、初期段階でウイルス粒子外被蛋白によると思われる細胞変性は起こるが感染性ウイルスの産生は認められなかった。この精製MCV粒子からフェノール法によって約240kbのDNAを抽出、制限酵素、Bam HI及びHind IIIで切断してpUC19でクローニングを行った。更にこのクローニングしたMCV-DNA断片をトランスファーベクターに移行した後、ワクチニアウイルスに挿入してMCVリコンビナントワクチニアウイルスを作製した。これらのMCVリコンビナントワクチニアウイルスによるMCV蛋白の発現を患者血清を使って調べている。またorthopoxウイルスに属するワクチニアウイルスに外来性遺伝子を挿入して蛋白の発現やリコンビナントワクチンの開発が盛んに行われている。その際、リコンビナントウイルスの選別をしやすくするためにチミジンカイネース(TK)遺伝子が挿入部位として利用されている。一方ではTK塩基配列を比較検討することによって他のウイルスとの関係の解析が行われている。我々はワクチニアウイルスのTK遺伝子をprobeとしたhybridizationによってMCVのTK遺伝子がBam HI-A,Hind III-Aフラグメントに相当する部位に存在することを確認、更に詳しい位置及び塩基配列を調べている。これらの研究が伝染性軟疣の治療及び予防に役立つのではないかと期待している。
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