研究課題/領域番号 |
06670902
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
奥村 敏之 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50241815)
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研究分担者 |
辻井 博彦 放医研, 重粒子治療センター治療診断部, 部長 (50088853)
辻 比呂志 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70207364)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 陽子線治療 / 放射線治療 / 肝細胞癌 / 画像診断 / 効果判定 / 肝癌 / 陽子線 |
研究概要 |
肝癌に対する放射線単独療法は未開拓の分野で、その臨床経過については未知の部分が多かった。しかし陽子線を用いて高線量を安全に照射することが可能となり、いままで知られていなかった放射線による肝癌の治療過程を観察することができるようになってきた。約1.5カ月間に平均74Gyを照射する陽子線治療を施行した28例の経過観察の結果、治療開始から1年後の平均縮小率は88%だが、腫瘍縮小過程は緩徐で、殆どの症例がPartial Regressionを示すのに約6カ月を要することがわかった。1年後の時点でComplete Regressionを示したのは17%しかなかったが、残存腫瘍が全て壊死に陥っていると考えられた症例も多く、治療の効果判定には腫瘍の大きさ以外に、腫瘍のviabilityを評価する方法が必要であると考えられた。この評価には主にCTを用いたが、機器の発達により最近ではMRIの法がより正確な情報が得られるようであり、症例を重ねて検討したい。長期間の観察により照射野内あるいは辺縁部から再発する症例を4例経験した。これらの再増殖はいずれも照射開始から10カ月以上経過した後に認められ、どの症例も最大効果はPRであり、12カ月の時点においてなおviabilityを残していると考えられる症例に関してはその時点で追加治療をすることがより長期の局所制御を得るために有用であると考えられた。今後新しいプロトコールを立案し、この治療法の確立を目指したい。
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