研究概要 |
^<99m>Tc-GSAは肝実質細胞膜に存在する糖タンパク・receptorと特異的に結合することによって取り込まれ,lysozomeで異化代謝される新しいreceptor-imaging agentである。これにより機能的肝実質細胞総量が推定でき,肝予備能の指標が求められると考えられている。私共は^<99m>Tc-GSAを用い,家兎で肝dynamic SPECTを行い血液生化学的肝機能検査と比較検討した。その結果1)^<99m>Tc-GSAによるK1は血液肝機能指標と比べ鋭敏に肝機能変化を現していると考えられた。2)^<99m>Tc-GSAのFv(肝機能体積),V(肝集積等体積)はA/Gと最も強い相関が得られた。3)^<99m>Tc-GSA肝dynamic SPECTを行うことにより更に正確な局所肝予備能を評価しうる可能性が示唆された。以上のの家兎の実験により従来の私共の^<99m>Tc-Sn-colloid法よりも^<99m>Tc-GSAが更に優れた局所肝機能の評価が可能であることが明らかとなったので,臨床例において本法の有用性を検討した。対象は肝細胞癌12例,胆管癌,胆嚢癌,転移性肝癌それぞれ1例,肝内結石3例の18例で,これらを日本肝癌研究会の臨床病期判定基準により,軽症,中等症,重症に分類した。その結果,^<99m>Tc-GSAより求めたRIパラメータは^<99m>Tc-Sn-colloidのそれと良好な相関を示し,本法への臨床応用が可能と考えられた。^<99m>Tc-GSAのK1および^<99m>Tc-Sn-colloidのKはICGR15,プロトロンビン時間とよく相関し,肝予備能を反映しうるRIパラメータと考えられた。肝障害の重症度とRIパラメータの関係では重症になるほど^<99m>Tc-GSA,^<99m>Tc-Sn-colloid共に低下した。従って,^<99m>Tc-GSA SPECTを用いた残存肝機能体積率を算出することは有用であると考えられた。
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