研究課題/領域番号 |
06670950
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
大谷 浩一 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (00194192)
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研究分担者 |
近藤 毅 弘前大学, 医学部, 助手 (40215455)
兼子 直 弘前大学, 医学部, 助教授 (40106852)
福島 裕 弘前大学, 医学部, 教授 (80003482)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 抗うつ薬 / トラゾドン / 活性代謝物 / 血漿濃度 / 高速液体クロマトグラフィー / 臨床反応 / 遺伝的要因 / チオリダジン |
研究概要 |
最初に、高速液体クロマトグラフィーによる抗うつ薬trazodoneとその活性代謝物m-chlorophenylpiperazine(m-CPP)の血漿濃度測定法を開発した。両薬物について高感度で安定した測定が可能であった。 次に、trazodone150mg/dayを服用中のうつ病患者43名で、上記の測定法を用いてtrazodoneとm-CPPの血漿濃度を測定したところ、いずれも約4倍もの個人差を示した。 さらに、上記の症例のうち11例に対してthioridazine 40mg/dayを1週間追加投与したところ、trazodoneとm-CPPの代謝が競合的に抑制され、これらの血漿濃度は有意に上昇した。Thioridazineは、その活性が遺伝的に規定されるcytochrome P4502D6(CYP2D6)で代謝されるので、trazodoneとm-CPPの代謝能力も遺伝的に規定されるものと考えられる。 以上のように、これまでの研究でtrazodoneとm-CPPの代謝能力が遺伝的に規定され、その結果これらの薬物動態が大きな個人差を示すことが明らかとなった。 現在、うつ病患者44例でpolymerase chain reactionとrestriction fragment length polymorphismを用いて変異遺伝子CYP2D6A,,B,D,Jを同定し、これらとtrazodone及びm-CPPの薬物動態との関係を検討中である。 また、trazodone 150mg/dayを3週間投与したうつ病患者16例でtrazodone及びm-CPPの薬物動態と治療効果、副作用発現との関係を解析中である。これらを併せて、抗うつ薬の臨床反応における遺伝的要因の影響を明らかにする。
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