研究課題/領域番号 |
06670961
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 講師 (00179649)
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研究分担者 |
播口 之朗 大阪大学, 医学部, 助教授 (10028459)
西村 健 大阪大学, 医学部, 教授 (70028455)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / リン酸化 / 中間径線維 / ニューロフィラメント / タウ |
研究概要 |
アルツハイマー病脳から精製したタウ蛋白は過剰にリン酸化されていることが知られている。タウ蛋白の過剰リン酸化はチュブリン重合促進作用を失わせることにより細胞機能を障害する。同じく軸索を構成する蛋白の内、ニューロフィラメント(NF)は、NF-L、NF-M、NF-Hの異なる3つのサブユニットからなる中間径線維であるが、そのいずれもリン酸化されやすい蛋白であり、NF-Lのリン酸化によりNFの重合能が低下すること、NF-Hのリン酸化により他の細胞骨格線維との相互作用が低下することが低下することが知られている。本研究では、アルツハイマー病におけるNFの変化について、NF-Lに対するモノクロナール抗体、NF-Hのリン酸化及び非リン酸化エピトープに対する抗体を用いて、アルツハイマー病脳組織の免疫組織化学及びウエスタンブロットを行った。NF-LのC末端テイル領域にに対する抗体を用いた免疫組織では、その抗体でアルツハイマー病脳における変成神経細胞及び変成神経突起を染色することが認められた。ウエスタンブロットを用いた検討では、アルツハイマー病脳では、対照脳に対し、NF-Lの減少が認められた。また、リン酸化及び非リン酸化NF-Hの割合についてNF-Lとの比で検討すると、アルツハイマー病ではリン酸化NF-Hの割合が増加していることが示された。アルツハイマー病では、リン酸化/脱リン酸化気候の障害が指摘されており、NFも障害されていることが示された。NFを含めた中間径線維の異常もアルツハイマー病の病態に大きく関与していることが考えられ、タウ蛋白ばかりでなく他の中間径線維の変化に注目すべき事が示唆された。
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