研究課題/領域番号 |
06670975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
新井 平伊 順天堂大学, 医学部, 講師 (50167988)
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研究分担者 |
木村 通宏 順天堂大学, 医学部, 助手 (50234381)
高橋 正 順天堂大学, 医学部, 助手 (30236294)
岩本 典彦 順天堂大学, 医学部, 講師 (60211067)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 記憶 / 一酸化窒素 / アルツハイマー型痴呆 |
研究概要 |
ヒト剖検脳とくにアルツハイマー型痴呆(ATD)患者死後脳において一酸化窒素合成酵素(NOS)系の代謝や分布を検討することによって、記憶のメカニズムの解明を目指すとともに、アルツハイマー型痴呆の病態の理解を深めることを目指した本研究では多くの所見が得られたが、その代表的なものは以下の通りである。 (1)ATDの記憶障害と関連が深いマイネルト基底核のコリン作動系ニューロンではアセチルコリンとNOSが共存していないこと、そしてATDの特徴的所見である老人班にはNOS免疫活性が存在していないことが明らかとなった。これらから、NOSがマイネルト基底核コリン作動系とは関連が薄いこと、そしてATD形態学的異常構造の形成には直接的関与は少ないことが示唆された. (2)ヒト剖検脳海馬にはNOS陽性細胞が散在していた。この部位は記憶過程に重要な部位であり、長期増強(LTP)発生機構の場所としても注目される。この海馬では、グルタミン酸濃度がATD脳で有意に低下しており、この異常がNOS系に影響を及ぼし、記憶過程に何らかの異常をきたしている可能性が推測される。 (3)NOS遺伝子レベルでも検討を加えた。今回なNOS遺伝子のエクソン2及び13、14について、PCR-SSCP法を用いて検討した。ATD症例50例、対照健常者48例において調査したが、これまでのところこれらの部位には点突然変異や多型は見つかっておらず、NOS遺伝子がATD発症の原因遺伝子として働いている可能性は少ないことが示唆された。今後、他のエクソンにおいて検討を加えていく予定である。
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