研究課題/領域番号 |
06670991
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
三ツ汐 洋 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第三部, 研究員 (90175612)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | せん妄 / サーカディアンリズム / コルチゾール / アルコール離脱 |
研究概要 |
入院したアルコール依存症患者で、離脱期に振戦せん妄を呈した患者6名と、せん妄が見られなかった患者6名について、2日間連続で6時間毎に計8回採血を行なった。離脱の経過による変化を見るために、振戦せん妄出現時、振戦せん妄消退後2週間目、8週間目及び16週間目の計4時点で経時的に行なった。 健常者では、測定した2日間とも朝6時に血中コルチゾール濃度の最高値がみられ、18〜24時に最低値がみられたのでこれを正常リズムと定義した。離脱時に振戦せん妄を呈した患者では、6名中5名で振戦せん妄出現時にコルチゾール分泌の概日リズムの著しい位相のずれが認められた。振戦せん妄消退後14日目では、残りの5名中1名のみで概日リズムの正常化が見られたが残りの4名ではまだ正常化していなかった。8週後でも2名では概日リズムの正常化は見られなかった。せん妄患者6名を合わせてみると、せん妄時では、正常者ではコルチゾールが低下してくる12時、特に18時の時点でコルチゾールが高く、せん妄消退後14日目さらに8週目で次第に下がってきて左にシフトしてくることから、せん妄時には概日リズムの位相が後退していることが示唆された。せん妄を呈さなかったアルコール依存症者6名のうち4名でもリズムの異常は認められたが、1名は位相前進3名は位相後退であり、せん妄を呈さない患者でもコルチゾールの日内リズムは後退していることが示唆された。8週後では半数が正常のリズムに回復していた。せん妄を呈さなかった患者6名を合わせてみると、せん妄群と同様に12時および18時において、離脱期間が長くなるにつれてコルチゾールのレベルが低下して、左にシフトしてくることが分かった。従って、せん妄の有無にかかわらず、離脱の早期にはコルチゾールの位相が遅れていることが示唆された。また、離脱早期の血中コルチゾールレベルはせん妄消退後14日目と比較して、測定したすべての時点において高値が認められた。
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